• テキストサイズ

【ツイステ】黒兎は駆け巡る

第89章 *暗闇アストレイ*





分からないままぼおっとしてると、その人に抱きしめられて何かを言われてる


よく、聞こえないよ..


この人の髪の色、すごく綺麗。目の色も不思議で、キラキラしてて..まるで、





















『...オー..ロラ..』










〔No side〕





シルバー『レイラっ!しっかりしろ!!』


光の導きでレイラを見つけ、腕に抱えることができたが、その瞳は輝きを失い虚空を見つめるように一点だけに向けられていた


揺さぶってもその表情は変わることなく、まるで人形を抱いているような感覚だった


シルバー『頼む、俺を見てくれ!俺に気づいてくれ!まだお前に何も言えてないんだ。感謝も、謝罪も、何もかも..っ』


触れ合う肌が冷たくなってきていることに気づき、自分の体温を分けるように、くしゃりと歪んだ顔で強く抱きしめる


シルバー『..すまなかった。何度も俺を奮い立たせるための言葉をかけてくれたのに、自分のことばかりで全く聞き入れなかった。俺を一人にしないために側にいてくれたのに、手を払って突き放してしまった』


オーロラの瞳から涙が溢れる。その涙はここに来て今までに彼が流したどの涙よりも美しく、温かいものだった


シルバー『だけど、お前はここまでついてきてくれた。セベクたちに引き上げられる俺の足を押し上げてくれた。
こんな暗く冷たいところに落ちて、本当は凄く怖かったはずなのに..お前は一度も弱音を吐かなかった。


強くて優しいお前に、俺はずっと..ずっと甘えてきたんだな。


本当に、すまない...っ!!』





大粒の涙がポタポタとレイラの頬に落ち、生暖かい粒が冷えた頬を温める


すると、光を失った瞳がゆっくりとシルバーの方を向き、小さな唇がやわやわと動きだす











そして掠れた小さな声がその色の名を紡ぐ













『...オー..ロラ..』





/ 1858ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp