第89章 *暗闇アストレイ*
ユウ『それで、戻るときはどうするつもりですか?どこまで落ちてるか分からないんですよ』
シルバー『上手くはないが浮遊魔法を使って上がるつもりだ。だからお前たちは、俺がこの闇から手を出したときに引き上げてほしい。
...元はと言えば俺のせいでレイラをこんな目に遭わせてしまったんだ。自分で引き起こしたことは、自分の手で始末をつける。
頼む..どうか俺を信じてほしい。
今度は必ず、連れて帰る』
先程までとは違い、光を取り戻した真剣な瞳が3人をまっすぐに見つめる。そこに秘めた輝きが彼の意志と覚悟を表し、3人はその輝きを信じて大きく頷いた
セベク『分かった。救出は貴様に任せる。だが失敗は絶対に許さないぞ。必ず..必ずあいつを連れて帰ってこい!』
ユウ『本当は僕が行きたいんですが、今回は譲りますよ。その代わり、必ず連れて帰ってきてください。戻ってきたら問答無用で殴ります..そのお綺麗な顔を』
グリム『このグリム様が引き上げてやるから、安心して行ってきていいんだゾ!』
シルバー『ありがとう..』
三者三様の送り出しの言葉に小さく笑みを浮かべると、闇の塊にそっと片足を踏み入れる
ずぷっとした感覚に嫌悪感を抱きながら、もう片方を入れる。そしてゆっくり体を沈ませ、深い闇の中へと潜っていった
シルバー『(待っていてくれ、レイラっ!!)』