第89章 *暗闇アストレイ*
ドロリ..ぐぶぶぶぶ..
再び闇が二人を深淵に引きずり込もうと床を液状化させて飲み込んでくる
シルバー『...』
『2人なら、怖くないでしょ?』
今度は抵抗せず、ただ身を任せて闇に飲まれていく。レイラ自身もとうに限界が来ていた。シルバーを救えずここから出ることもできなかったが、ならばせめて彼の側にいようと決めていた
一人ぼっちの寂しさと絶望は、誰よりも知っていたから
小さな体は先に呑み込まれ、体を纏う黒い闇に嫌悪感を抱きながら静かに目を閉じた
『(...私じゃ、何もできなかった。誰か..誰かシルバーさんを、助けて..)』
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〔レイラ〕
真っ暗
何も見えない
本当は、こんなところになんかいたくない。今すぐにでも逃げたかった
でも出来なかった。出来るわけなかった
抜け出す方法も分かんなかったし、なによりシルバーさんをここに一人で残しておけなかった
でも全然何もできなかった
思い出を見て泣くシルバーさんを、リィさんと戦わされて泣くシルバーさんを
見てるだけで何もしてあげられなかった
ごめんなさい..ごめんなさい..
役立たずでごめんなさい...
?『ーーーっ!!』
誰かの声が聞こえる
?『ーーませ、シルバー!』
この声..どこかで聞いたことある、かも..
?『ーーーなんだゾ!』
?『ーーーして、助けないと!』
この声も聞いたことある
どこだっけ..?
えっと...
分かんない