第88章 *緊急リターニング*
グリム『見ろ!城の前にある橋の上に、なんかピカピカしたやつが出てきたんだゾ!』
バウル『右大将殿..あれは!』
リリア『白亜の鎧、陽の光のような金の髪..間違いない。
夜明けの騎士!』
光を放ち橋の上に立つその姿は、鉄の者よりも輝く鎧を纏い、妖精からの祝福の証である金の髪を静かに吹く風に靡かせていた
『ぅぅ..(あの人が、夜明けの騎士..)』
セベク『少しは収まったな..レイラ、平気か?』
『ん..ありがと』
シルバー『あれが!ヴァンルージュ殿がその強さに一目置くという..うっ!?』
夜明けの騎士の姿を目にした途端、ぐらりとした感覚がして、久しく訪れなかった強い眠気がシルバーを襲う
セベク『どうした、シルバー?』
シルバー『分からない、急に、眠気、が..!』
グリム『シルバー、オメー服の中がまた光ってるんだゾ!』
ポゥと胸元の優しい光に気づき、チェーンを手繰り外に出すと、あのオーロラ色の石がはめ込まれた王冠を模した指輪がなにかに反応するように輝く
シルバー『指輪が..光っている?』
セベク『不思議な魔力を感じる。なんなんだ、その指輪は?』
シルバー『わ..からない。親父殿は、俺の両親が赤子の俺に託したものだろうとだけ..』
『シルバーさん、眠い、の?』
シルバー『あ、ああ..いきなり眠気が来て』
『ど、どうしよ(なにかして起こさないと..)
えっと、えっと..』
?『わっはっはっ!!籠城する妖精共よ!銀の梟の旗が見渡す限り揺れているのが見えているか?貴様らはもはや、孤立無援。逃げ場はないぞ』
『ぅぅっ..!!』
セベク『!!』
先程の雄叫びよりもよりはっきりと大きく聞こえてきた声に、肩を震わせセベクの胸に飛び込む。先程自分からしたくせに相手からの密着に酷く驚き、とりあえず同時に聞こえてきた謎の声に集中するため、そっとその身を抱き寄せた
ユウ『(さっきといいちゃっかり抱きしめとんなコラァ!!!)』