• テキストサイズ

【ツイステ】黒兎は駆け巡る

第87章 *懐刀インパクト*





セベク『!?な、何故また泣くんだ!?何か変なこと言ったか!?』


突然泣き出したレイラにワタワタとテンパり、理由を問いかけるも返事は返ってこない。先程までようやく引いてきた目元の赤みが上書きされるように染まっていく


『ぅぇぇぇっ..!や、ぱり..いっぱい、ぅっ、やなこと言われて、こ、わかったの..っ!!』


遅れて返ってきた言葉に胸の奥が締め付けられるような痛みが襲う。自分のせいでまた泣かせてしまったという罪悪感が重りのようにのしかかる


『ひくっ..ぅっ..ぅぁぁぁぁ..っ!』


セベク『レイラ、すまな、』








ユウ『なにまた泣かせてんだ、おいコラ?』


慰めるために踏み出そうとしたその時、真後ろから囁かれた地を這いずるような低音に背中に冷たいものが走る


ギギギと機械のように顔だけ振り向くと、どんな猛者も裸足で逃げるような形相で背後霊のように佇むユウの顔が目の前にあった


セベク『!!!ユ、』


ユウ『反省したと思ったらまた泣かせて..ふざけんなよ?拳1回じゃ足りなかったのかなぁ?だったら2回でも3回でもしてあげようか!?』


セベク『ま、待てユウ!僕は何も、』


ユウ『もういっぺん歯ぁ食いしばれ!!』


ブンと振りかざされた拳をぎりぎり避けると、そこからユウとの恐怖の鬼ごっこが始まり、グリムの周りをグルグル回りだした


ユウ『待てこら。こっちは疲れ果ててるんだ、いいから止まれ』


セベク『だったら貴様が止まれ!!あと腕を振り回すな!!』













シルバー『元気だな、二人とも。

..大丈夫か?』


言い合う2人に苦笑いしながら、今だに泣き続けるレイラの元に行き、岩を登って隣に腰掛けた


『ひっく..ぐすん..ぅぇぇ..っ、ごめ、なさ..っ..』


シルバー『謝らなくていい。むしろ謝るのは俺の方だ。あいつをもっと強く止めていれば、お前がこんなに泣くことはなかった』


手を伸ばし優しく頭に手を置いてゆっくり撫でると、少しずつ泣きじゃくる勢いが弱まっていく


シルバー『レイラ、もしかしたら追い打ちになってしまうかもしれないが、こんな時だからこそ伝えておきたいことがある』



/ 2170ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp