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【ツイステ】黒兎は駆け巡る

第87章 *懐刀インパクト*






茨の国・野営地



野営地に着く頃には夜もすっかり耽けて、すぐに寝床やその他の準備を終えたが、湖にいた毒のないカエルを食そうとするリリアを全力で止め、代わりに緊急で釣り上げた魚を使ったことで、なんとか事なきを得た


シルバー『あの、おや..ヴァンルージュ殿。少し質問をいいでしょうか』


リリア『あ?なんだ』


シルバー『鉄の者や近衛兵が度々口にする"ヘンリク" や"夜明けの騎士"とは何者なんですか?』


リリア『ふぅん。やつら、外つ国ではさほど名を知られていないのか。

ヘンリクは銀の梟の首領をやってる人間の男だ。強欲で、下品で、樽みたいにでかい。やつはいつも東の砦でふんぞり返ってて、滅多に出てこないが..昔一度だけ要求書を持って野ばら城に訪れたことがあった。
マレノア様は一切取り合わなかったんだがな』


セベク『茨の国を害する行為を繰り返しているくせに、要求書だと!?なんと図々しい』


リリア『で、夜明けの騎士ってのは..銀の梟の警備隊長だ。銀の梟は魔法石や金属を求めて危険な場所にも潜り込む。

例えば..俺(妖精)たちみたいな"賊"がはびこる、風鳴き渓谷の西側や、雷鳴山脈の魔獣の巣、とかな。だから、荒事専門の腕利き警備兵を雇ってるってわけだ。その中でも"夜明けの騎士"ってやつはべらぼうに強い』


シルバー『..!あなたが強いと言い切るとは』


リリア『この大陸の東端、雷光岬にある砦を守ってる。そこからついた2つ名が"夜明けの騎士"。
奴は剣の達人で、あいつにノされた仲間は数知れず。怖いもの知らずの夜の眷族も、白く輝く鎧と金の髪を見れば耳を伏せて逃げ出す始末だ』


ユウ『会ったことはあるんですか?』


リリア『ヘンリクが野ばら城を訪れた時に一緒にいたから、姿は見かけたが..鉄面をかぶってたから、ツラは拝んでねぇな。噂じゃ、とんでもない美形らしいぜ。昼の眷属に美しさを送られたとか』



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