• テキストサイズ

【ツイステ】黒兎は駆け巡る

第87章 *懐刀インパクト*






リリア『くたばれ、鉄の化け物め!!!』






降ろされた魔石器が斬撃と共に装甲車を強打し、脳天のヒビから全体に大きな亀裂が走らせた。その一振りがとどめを刺し、装甲車はやがて大きな音を立ててバラバラに崩れ落ちる


ガラガラガラ...!!


鉄の者『装甲掘削機、大破!』


鉄の者『なんて奴らだ!生身で鉄の掘削機を破壊してくるなんて!』


鉄の者『掘削機なしに勝てるわけがない。退却!退却〜〜!』


様子を見ていた鉄の者たちはまさか装甲車が破壊されるとは思わず、慌てふためきながらその場を逃げ去っていった








『『はぁ、はぁ..』』


『『『ぜぇ、はぁ、はぁっ..』』』


『た、倒せた..』


ユウ『あ〜びっくりした』


バウル『な、な、何なのだ、あの鉄のゴーレムは!? 』


シルバー『はぁ、はぁ..この装甲車、ショベルカーのような装備がついている』


セベク『鉄の者たちはこれを装甲掘削機と呼んでいたな。ということは、おそらく土木作業用の機械だろう』


グリム『ふな..そういや麓の街の工事現場で、似たようなものを見たことある気がするんだゾ』


バウル『土を掘り返すためのからくりということか?面妖な!』


リリア『奴ら、いつの間にこんなものを..ほんの20年前は木の鋤で土を掘ってたってのに。こんなので山を掘られたんじゃ、あっという間に雷鳴山脈が丸裸にされちまう』


鉄の者たちの道具の進化に懸念を抱いたリリアは、マレノアへの報告する必要があると判断し、近衛兵の一人に野ばら城へと伝達を頼んだ


リリア『全身ひでぇ鉄と油の匂いだ。水浴びしねぇとやってられないな..』


スンスンと嗅ぐと、機械と戦ったせいか自身の服にこびりついた鼻を刺すような刺激臭に軽い吐き気を覚えた


リリア『渓谷を抜けたら、小さな湖がある。今日はそこで野営としよう』


バウル『はっ!』


『...』


ユウ『立てる?抱っこしようか?』


『ううん、立てる。でも、手だけ貸して』


ユウ『勿論』


ユウの手を借りて立ち上がったレイラを横目で確認すると、リリアは一団を率いて歩き出した。全員疲労で足取りは重いものの、何とか立ち上がり、リリアの後に続いてその先の野営地へと足を動かし進んでいった



/ 2235ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp