• テキストサイズ

【ツイステ】黒兎は駆け巡る

第87章 *懐刀インパクト*






『っ..!!』


魔力を込めるのに集中していたレイラは気づくのにワンテンポ遅れ、頭上から降ってくる岩に動けなかった


スガンっ!!


『きゃっ...!!』


幸い岩は手前に落ちてきたが、その爆風と衝撃波でレイラの細身の体は吹き飛ばされてしまった


ユウ『レイラっ!!』


シルバー『マズい、今手が離れたら!ぐっ..!』


セベク『ぐはっ!!』


レイラが吹き飛ばされたことで闇の手が緩み、少し動けるようなった装甲車は後ろで車輪を壊そうとしたシルバーとセベクを車体の回転で跳ね除けた


ユウ『レイラ、大丈夫!?』


『けほっ、けほっ..ん、へ、き..』


リリア『もういい、ユウとそこで大人しくしてろ。あとは俺たちでやる』


『!私、まだできる。まだ戦えるよ』


リリア『そんなブルった手と足で何が出来んだよ』


『ぇ..ぁ..ぅぅ』


リリアに言われて初めて、座り込む自分の手と足が震えていることに気づき、悔しげに顔を歪ませた


リリア『分かったら大人しく引っ込んでろ』


そう言いリリアは再び戦線へと走り去っていった。目の前で必死に戦う彼らの姿に、自分も何かしたいのに突然襲った恐怖に動かない自分の体を恨むしかできなかった


『...っ』


ユウ『レイラ..』








リリア『(くそっ、全員体力に限界が来てやがる。俺も息が切れてきた..この一撃で最後にしねぇと、このままじゃ全滅だ)』


全員に疲労の色が見え始め、長期戦はもう無理だと悟ったリリアは魔石器を握る力を強め、その赤い瞳の鋭さを増した


リリア『全員、両翼からそいつの動きを止めろ。一瞬でいい!俺が上から叩き斬ってやる』


『『『はっ!!』』』


リリアの指示の元、全員が半分に分かれ両側から挟むようにそれぞれの魔法を繰り出す。その隙にリリアは崖の壁を蹴り上げ高く飛び上がると、魔石器を振りかざしながら斬り込んでいく


リリア『(!あれは、レイラがつけた傷跡。あそこにぶち込めば..)』


装甲車の脳天に闇の手で握られた際にできた大きなヒビがあり、リリアはそこへ目掛けて魔力と腕力のすべての力を込めた



/ 2235ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp