第87章 *懐刀インパクト*
セベク『...』
ユウ『優しくて強いリリア先輩だから、シルバー先輩もあんな良い人に育ったのかもね』
『ん、だね』
リリア『へえ、親が騒がしくても子が静かに育つ場合もあるのか。そいつはちょっと意外な話だ』
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バウル『風鳴き渓谷が見えてきた』
セベク『確か、渓谷から東は鉄の者の領土でしたね』
バウル『違う!!決して奴らの領土ではない。この大陸は全て我々妖精のものである!奴らが勝手に住み着き、勝手に縄張りにしているだけだ!!よく覚えておけ!』
セベク『し、失礼いたしました』
『もう、うるさい..ん?ねぇ、向こうからガシャガシャ聞こえる』
リリア『!おい、テメーら声を落とせ。奴らの鉄靴の音がする』
レイラの言葉にリリアも耳をそばだてると、僅かに鉄の者たちの足音が進行方向から聞こえたため、一団は足を止めてその場で身を縮こませた
『『..!』』
鉄の者『レイア様って可愛いよなぁ..むさ苦しい砦に咲く一輪の花..』
鉄の者『本当、本当。あのヘンリク卿の妹っていうのが信じられないぜ』
鉄の者たちはこちらに気づくことなく、レイアという女性の話と夜明けの騎士という人物について話を続けた
レイアという彼らの上官の妹が、強く美しい夜明けの騎士と恋仲だということに、リリアは小さく"へぇ"ともらすと、しれっと彼らの話題に入り込んでいった
ユウ『おおう。しれ〜っと入ってくねあの人』
『凄い..あ、でも』
流石に長くは続かず正体がバレるも、余裕たっぷりに魔石器を抜いたリリアは後方の近衛兵たちに命令を下す
リリア『楽しいおしゃべりはここまでだ。者ども、かかれ!』