第87章 *懐刀インパクト*
『え、あの..へ?』
街の妖精『黒兎様、そして近衛隊の皆様、ありがとうございます!お食事を用意しました。どうぞ召し上がってください』
バウル『む..ちょうど食事を摂ろうと思っていたところだ。遠慮なくいただくとしよう』
ユウ『レイラ、お疲れ様。怖くなかった?』
『ん。あの魔獣さん、多分銀の人たちが山を取っちゃったから、行くところなくて降りてきちゃったと思う。それが分かったら、なんか怖くなかった』
シルバー『レイラには魔獣の気持ちが感じ取れるようだな。優しいお前だから出来るんだろう』
『..優しくないよ。ねぇ、お腹空いた。私達もご飯食べに行こ?』
ユウ『そうだね、行こっか』
『むぐむぐ..』
ユウ『美味しい?』
『ん!』
街の妖精『あの、黒兎様..心ばかりですが、どうかこれを貰ってくださいませんか?』
『お守り?』
一人の妖精から手渡されたのは手のひらで包めるほどの小さな布で覆われた長方形の札だった
『ありがと、大事にするね』
ユウ『良かったね』
『リィさん』
リリア『あ?』
『この街の妖精さんたちって、黒兎のこと嫌ってないんだね』
リリア『この街の連中の中には黒兎を信仰してるやつが多い。昔、自然災害が起こったときに、俺らが駆けつける前に偶然近くを旅してた黒兎が助けてくれたんだと』
『そうなんだ..』
リリア『つか、黒兎を嫌ってるやつなんていんのか?少なくとも俺が知る限り、信仰ってほどじゃねぇが忌み嫌ってるやつは殆ど聞かねぇよ』
『!!ここだと、黒兎を嫌いな人は、いないんだ..そっか..そっか..』
リリア『何だ、学校で嫌われてんのか?』
『..そういう人もいた』
リリア『ふ〜ん..まあ、最近人間どもの戦争の前線で、黒兎を見たって情報が入ってきてる。それが原因かもしれねぇな』
『...』