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【ツイステ】黒兎は駆け巡る

第87章 *懐刀インパクト*





レイラの走っていった背中を見送ったあと、焦げて小さな穴が空いた右足の裾へと視線を落とす


それは先程のレイラとの戦闘で、黒雷を避ける瞬間、意表を突かれ僅かに動作が遅れたために雷が当たって焦げ付いた痕だった


レイラがその気になれば、自分の判断があともう少し遅れていたらと考え、リリアは眉間にシワを寄せた


バウル『それに..なんでしょう?』


リリア『..いや、なんでもねぇ。とにかくまぁ、お手並み拝見ってところだな』





リリアの言う通り、少し進んだ先には銀の鎧を纏った者たちが複数人歩いていた。梟の飾り羽ような青の羽が歩く度に揺れ、その名の通り銀の梟を表していた


近くの草陰と大木の裏に隠れながら、レイラたちはその様子をじっと見つめていた


シルバー『さて、どうやって攻め込むか』


セベク『奴らがこちらに背を向けた瞬間に一気に叩く』


シルバー『奇襲か..いいだろう。だがその前に、ユウとレイラはここで隠れて待っていてくれ』


ユウ『了解です..って言いたいところだけど』


『私も行く』


ユウ『だろうね』


セベク『なんだと!貴様も黙ってそいつと一緒に隠れていろ』


『や。私だって戦える』


セベク『そう言って先程は何もできずに、リリア様に転がされていたではないか!』


『(むっ)雷さんだって全然魔法当たってなかった』


セベク『なっ!僕は貴様とは違い簡単には倒されていないし、何より仮面を落とした最後の決めては僕だっただろう!』


『オーロラさんと二人がかりでやっとね』


セベク『き、貴様ぁ〜〜!!』


ふいっとそっぽ向くレイラにわなわなと拳を握り、更に言い返そうと進み出るセベクを、シルバーの手が肩を掴み制止させた


シルバー『落ち着けセベク。レイラも十分戦ってくれていただろう。失礼な物言いをするな』


ユウ『レイラも煽らないの』


『むぅ..』


『『....ふん!』』


互いにそっぽ向き合い距離を取る険悪なムードに、3人はやれやれと首を振った




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