第83章 *閑話カームデイ12 〜クルーウェル・一部クロウリー〜*
あくまでにこやかに対応するも内心は焦りが募り、変なことを口走ってしまわないかドキドキしていた
学園長『そうですか。貴方はレイラさんを特に可愛がっているように見えたので、もしや..と。ああ別にテストの不正や成績の操作なんて疑っていませんよ。彼女の実力は本物なのは知っていますから』
クルーウェル『では、学園長は一体何をお疑いに?』
学園長『..貴方が彼女を生徒としてではなく、1人の女性として見ているのではと』
クルーウェル『...まさか』
学園長『そうですよね。ええ、分かっていますとも。貴方が生徒と男女関係にあるなんて。そんな教師人生を無下にするような真似をするなんて思っていませんよ』
クルーウェル『....』
コツコツと靴を鳴らしながら近づいてくるその目は笑っておらず、まるで畏怖させるような冷たいものを纏いながらクルーウェルの前に立つと、そっと顔を近づけて囁いた
学園長『思っていませんし、私は見ていませんよ。二人きりの教職室でキスをする男女の姿なんて、ね』
クルーウェル『!!』
冷たい流水を背中に流し込まれたようなものすごい寒気が走る。冷や汗がツゥと流れ、これ以上ないくらいに心臓がバクバクと音を立てる
クルーウェル『(見られていた?いや、まさか..あの部屋はカーテンもドアも締め切っていたはず)』
『先生?クロさん?』
緊迫した空間に愛らしい声が差し込む。クロウリーの後ろから歩いてきたレイラは、薄暗い廊下の隅の二人を不思議そうに首を傾げた
クルーウェル『!レイラ..!?』
学園長『おやレイラさん、こんにちは。今日はお一人なんですか?』
『えとね、今からお外で授業だから、着替えに行くの。私の着替える所、ユウたちとちょっと離れてるから』
学園長『ああ、貴女の更衣室は安全上、男子更衣室と距離を置いていますからね。大変でしょうが、我慢してください』
『ん、大丈夫。それより、二人はどうしたの?』
学園長『いえいえ、ただお話していただけですよ。教育者同士、生徒のことや学園の今後のことなど、話すことは山ほどありますからね』
『そっか』
クルーウェル『レイラ、着替えに行くんだろ?なら早く行ったほうがいいんじゃないか』