第81章 *閑話カームデイ10 〜ポムフィオーレメイン〜*
ナイトレイブンカレッジ・空き教室
次の日、レイラとユウとグリムは心臓が潰れそうなほど緊張と冷や汗と足の震えのトリプルアクセル状態で、かれこれ1時間目の前の人物の圧と説教に耐え続けていた
クルーウェル『俺はあの日お前たちにあれだけ注意と躾をしたはずだったんだがな。それをあっさりその日のうちに忘れられて危険な地へ旅立たれたとは..俺の苦労が水の泡となったわけだ』
ユウ『(くっそ帰りてぇ〜!!でも先生怖すぎだし、何よりも目!目が据わってんだよこの人ぉ!)』
『(先生怒ってる..怖い..)』
クルーウェル『聞いているのか?』
ユウ『は、はい!聞いてるです!!』
『(聞いてるです..?)』
クルーウェル『では今から紙を配るからそこに反省文を書いてもらおうか。勿論、端から端まで埋めた状態で提出しろ』
机に置かれた紙には罫線がびっしりと引かれた手をつける前から書く気の失せる光景に、思わず顔を背けそうになった
ユウ『これ、全部ですか?』
クルーウェル『そうだが?なんだ、もしかして書けないとでも言うわけじゃないだろ?』
『夜になっちゃいそう』
クルーウェル『今から集中して書けば夜にはならない。さっさと始めろ。だが、レイラ。お前には別で話がある。隣の部屋に行くからついてこい』
『..ん』
鋭い視線に少し怯えながら、一度だけユウの方を振り返り視線を合わせると、先に出ていったクルーウェルの後を追いかけて部屋から出ていった
グリム『クルーウェルのやつ、なんでレイラばっかり目つけてんだ?普段は他のやつから贔屓だって言われるぐらい構ってるしよ〜..』
ユウ『..あの子は先生の"お気に入り"なんだよ。だから、褒めるのも怒るのも特別、ってことかな』
クルーウェル『それで?何故、あの日あれだけ心配させるなと言っておいたのに、お前は嘆きの島に行ったんだ?しかも、俺には何も言わずに』
『...ごめんなさい』
クルーウェル『謝罪をしろとは言ってない。質問に答えろ』
『ぁぅ..』
刺すような視線と隣にユウたちがいないという空間に、寂しさが心を埋め尽くしていく
心細さに負けないようなんとか気をもたせながら、ゆっくりと口を開いた