第78章 *最終決戦*
怒りに燃えるイデアの猛攻は止まらなかった。今までのオーバーブロットした者たちとの戦いでは、魔法士とそれに付随する化身が一斉に攻撃するというものだったが、今回はその化身に自我があるため、魔法士とは全く違う動きをする
それがヴィルたちの戦いを不利にし、僅かな休息で得た魔力と体力を確実に奪っていく
しかし、隙を見つけてはレイラが物陰からサポートした甲斐もあり、危機的な状況は何度も回避していた
それでも消耗していく力に限界を感じ始めていた
ヴィル『くっ!流石にキツくなってきた。何か大きな一撃でダメージを与えつつ、雷霆の槍の調整に入れれば』
ルーク『おっと!またレイラくんに助けられてしまった。ヴィル、私がその一撃を放とう。その間にレイラくんを回収して雷霆の槍を』
ヴィル『これ以上消費してヘロヘロになったあんたが、照準を合わせられるの?』
ルーク『やれるだけやるさ。それに、君には槍を持ち上げ固定し、放つ役目があるからね。そちらのほうが負担は大きいだろう?』
ヴィル『そうは言っても..』
イデア『ああああ!!!うざったい!なんなんださっきからどこからともなく僕らの邪魔をしてくるやつは!アズール氏?レオナ氏?いや、どれとも違う。チラチラ人影は見えてるのにすぐ隠れやがって!』
オルト『だったら壊しちゃおうよ!その人の足場になってるあそこの階段全部。そうしたら自然と姿を表すはずだよ!』
イデア『うん、そうだな。じゃあ、思いっきり頼むわ』
オルト『は〜い!!誰だが分からないけど、覚悟してね!』
拳を構えレイラの隠れる階段へ近づくと、端から順にパンチを繰り出して階段を破壊し始めた
ガンガンガンガン!!!!
エペル『やべぇ!!このままじゃレイラが!!』
ヴィル『しまった!すぐにやめさせないと!』
『わわわわ!!』
後ろから迫る破壊と崩落に巻き込まれないよう走るレイラだったが、オルトの拳のほうが早く追いつき、遂には足元の床が崩れ落ちていった
『お、落ちる..』
傾いていく体、下を向けば遥か最下層に見える冥府が禍々しく口を開いて待ち構えていた
『あそこには落ちたく、ない!』