第78章 *最終決戦*
ザザ..
アズール『レオナさん、ヴィルさん!こちらアズール。オルトさんに..冥府に近づきすぎると危険だ!』
突如空気を裂くようにトランシーバーから発せられた声は、焦りと混乱と驚きに満ちていた
『!!アズ、さん?』
アズール『リドルさんの髪が白くなり、意識を失いました』
ヴィル『なんですって!?どういうこと、アズール』
アズール『彼らに近づけは近づくほど生気が吸い取られ、老いてしまう!』
驚愕の出来事に全員息を呑んだ
アズール『雷霆の槍のエネルギーも、魔力も尽きた。ブロット蓄積量も限界です。僕たちはここまでだ。後は頼みましたよ!』
『ア、アズさん..っ、リドルさん..』
ヴィル『オルトに近づきすぎると、生気を吸い取られて老いる..なんて。信じられないことだけど、それが現実に今起こっているのね』
ルーク『二人は何とか避難できただろう。だからそんな顔をしてはいけないよ』
ユウ『大丈夫。大丈夫だよ』
ブルブル震える体を抱きしめて囁くようにあやすと、服の上からギュっと強く握りしめられる
ヴィル『アズールたちが退却したということは、次は第6層のレオナたちね』
エペル『レオナサンの実力なら、あの二人を止められるかもしれないですね』
期待に満ちた顔で見つめるが、ヴィルは静かに首を横に振った
ヴィル『ここに来るまであたしたちがそうだったように、他の全員も満足に回復できてないままここにいるはず。いくら数で押していようとも、相手は100%フル充電。レオナたちといえど確実に勝てる確証はないわ』
エペル『そ、そんな..』
ヴィル『でも、だからこそ最後の砦であるあたしたちの責任は重大よ』
『レオさん、ジャミさん..無事でいて』
ユウ『先輩たちならきっと大丈夫。みんなのこと、信じてるでしょ?』
『信じてる。でも、だから怖い。お月様もロボットくんも、凄く危ない感じがしてて..』
ユウ『ブロットの化身があのオルトくんだもんね。化身が意志を持つなんて今までなかったし』
ヴィル『信じられないことばかりだけど、大人しく受け入れるしかない。それよりも、あんたは少しでも休んで回復に努めなさい。
あんたの魔法が必要になるときは、必ず来る』