第78章 *最終決戦*
代表二人の声に安堵し、トランシーバーをヴィルに返すと、ポンポンと優しく頭を叩かれた
ヴィル『レオナ!あんたは第6層へ!あたしは第1層へ向かうわ!』
ザザ..
レオナ『ったく、めんどくせぇ。ひ弱なインパラらしく隠れてりゃいいものを。余計な手間増やしやがって!』
ヴィル『頼んだわよ!リドル、アズール!』
3手に分かれた後、ヴィルたちは急いで第1層へ向かい、所員を襲うファントムたちの迎撃を始めた
ヴィル『こんなに沢山いるなんて。次から次へと湧いてくるわ!』
ルーク『だがここで手を緩めるわけにはいかない。我々が少しでも気を抜けば、スタッフのみなさんに被害が及ぶ』
ヴィル『分かってるわよ』
ユウ『みなさん!早くこっちへ!』
ヴィルたちがファントムを相手にしている中、ユウは安全な地点まで所員を誘導していた。所員たちは戦いに巻き込まれながらも誘導に従い、なんとか非常階段入り口の扉までたどり着く
エペル『スタッフさんたち避難できたみたい』
『でも、まだいっぱいこっちに来てる。あ、林檎くん!』
エペル『なに..うわっ!!』
?『ギャギャギャ!!』
背後からファントムが強襲し牙をむく。しかし、その牙はエペルに届くことはなく、ファントムは上から注いた雷に打たれて四散した
『大丈夫!?』
エペル『レイラチャン、ありがとう!』
『林檎くん。今からいっぱい魔法使うから、もし後ろからファントム来たらお願いできる?』
エペル『分かった!レイラチャンの背中は俺が守ってみせるから』
『ありがと..いくよ』
自然と合わせるように互いの背を合わせると、ペンに魔力を込め地面へと振り下ろす
黒い魔法の光が地面に吸い込まれ、周りの地面、壁、柱と至るところからいくつもの黒いシミが生まれる
エペル『その魔法..もしかして』
『もう、怖くないから。信じてるから、みんなのこと』
そっと目を閉じて魔力を強める。すると、あのときと同じような黒い棘が何倍にも数を増やして、地を這いまわったり飛行しているファントムたちに容赦も慈悲もなく突き刺さった
ザクザクザク!!
?『ギィィィィィっ!!!!』
?『ギャギャギャ!!』