第77章 *第1タワー Ⅱ*
〔Noside〕
なんとか大勢のファントムを倒しきると、奇声を上げていたファントムの中からカランとキーが落ちた
ルーク『な、なんとか倒せたようだね..うっ』
戦闘が終わりほっと息をついた瞬間、ファントムに引っかかれた腕の痛みが鋭く這い上がり、その場で再び膝をついた
ユウ『すぐに手当を!』
ルーク『大丈夫、傷は浅いよ。ただ、ブロットを浴びてしまったせいか、少し気分が悪い』
傷口に浴びたブロットが体に染み込んだのか、ルークの顔は僅かに青白くなっていた
『ぁ..ぁ..』
ルーク『レイラくん、大丈夫かい?怪我はしていないかい?』
『わ、たし..ご、ごめんなさ..』
ルーク『レイラくん?』
ガンガンガンガン!!!
突然入口の扉を壊さんとするほどの大きな打撃音が地面を揺らすほどの衝撃が起こり、ハッと全員の顔がそちらへと向けられる
エペル『僕たちが入ってきた入り口を、外から何が叩いてる!』
ヴィル『次から次へと、今度は何!?』
タイタン『ジュピタァ..タオス..ジュピタァァァ〜〜!!』
ヴィル『この声は..タイタン!?』
ルーク『とにかくこの収容所を出て、施錠をするんだ。ほんの一瞬かもしれないが、迎え撃つ準備をする時間が稼げる!』
ヴィル『急ぎましょう!』
ルーク『さあ、レイラくんも早く!立って走るんだ!』
ユウ『僕の手を取って!急いで!』
座り込んだまま動かないレイラの背に手をあて半ば無理矢理立ち上がらせると、駆け寄ってきたユウと共にレイラを誘導させながら走っていった
ヴィル『雷霆の槍を起動する!』
扉の施錠をすると、すぐさま雷霆の槍の起動に取り掛かった。ヴィルの音声認識で槍は魔力の光を帯び始める
扉の外ではガンガンガン!!とタイタンが扉を破ろうと攻撃を繰り返していた
エペル『も、もうドアが破られる!』
ルーク『雷霆の槍の一撃を食らっていながら、まるでダメージが感じられない。なんてパワーだ..!』
ヴィル『あいつらは1000年以上も冷凍庫に押し込められてた。暴れたくて暴れたくてしょうがないんでしょう』
ドガンッ!!!
エペル『ドアが破られた!』
タイタン『ガアアア!!』