第77章 *第1タワー Ⅱ*
ついに扉を破壊して中に入ってきたタイタンは、ビリビリ体に響くような咆哮を上げ、巨大な片腕を大きく振り上げた
ヴィル『来なさい、相手になってあげるわ!』
タイタン『グオオオオオオ!!!』
ユウ『っ、レイラ、しっかり!』
『はっ..!!ご、ごめ、うわっ!!』
真横に振り下ろされた腕が地面を砕き、その衝撃と破片が降りかかる
エペル『レイラっ、今助ける!』
『だ、大丈夫!ちゃんと、ちゃんと戦うから!』
助けに入ろうと向かってくるエペルを声で制すると、すぐさまタイタンから距離を取りペンを構えた
ルーク『(今の彼女ではタイタンを相手にするのは危険だ)ヴィル、私達で出来るだけタイタンの体力を削ろう』
ヴィル『ええ!雷霆の槍でフィニッシュを決められるくらいにはね』
ユウ『先輩たちがタイタンを引き受けてくれてる』
『ごめんなさい..ごめんなさい』
ユウ『レイラ、落ち着いて。まずは深呼吸、いい?』
『..すぅ..はぁ..』
混乱しかけているレイラの肩を掴むと、落ち着かせるように優しく言葉をかける。言われたとおりに深呼吸すると、幾分か心の揺らぎが収まっていった
ユウ『ん、良い子』
『私、どうしたら』
ユウ『レイラは強いよ。とっても強い女の子だ。ヴィル先輩も言ってたでしょ?自分の魔法に自信を持てって。大丈夫..不安でも大丈夫』
エペル『レイラっ!』
『林檎くん..』
エペル『落ち込んでる暇あるなら戦え!俺も一緒に戦う。おめの魔法はたげ強ぇしたげかっけぇんだ!ヴィルサンたちが雷霆の槍をあんのデカブツに照準決めるまで俺らで時間稼がねぇど!!』
『...私、役に立てる?』
ユウ『何言ってるの。最初から今までずっと役に立ってるし、凄く力になってるよ』
エペル『ユウの言うとおり、おめは俺らの一番の力だ!』
行くぞ!と差し出すエペルの手をそっと取ると、力強く引っ張り上げられ、タイタンと交戦を続ける二人の元へと走り出した
ヴィル『っ、ああもう!雷霆の槍を抱えてるだけでも大変なのに..照準を合わせる暇もないわ!』
ルーク『我々の魔力もそろそろ限界だ。だが必ず彼らなら来てくれる』
エペル『先輩たち!!』