第76章 *第1タワー*

ひとりでに浮かび上がった雷霆の槍は持ち主であるヴィルの手元まで行くと、フッとその手の上に落ちてきた。慌てて受け止めるがあまりの重さに前に倒れそうになった


ヴィル『ぐっ.. 重い！魔法で浮かせて..』



ガシャーンっ！！



なんとか浮遊魔法で槍を持ち上げると同時に格納庫のドアがついに破られ、タイタンがその巨体を大きく揺らしながら中へと入ってきた


タイタン『ニンゲン．．ドコダァアア！！ガアアアア！！』


凄まじい怒りの咆哮が部屋中に響き渡り、振動で足元が大きく揺れ動く


ルーク『タイタンが格納庫に入ってきた！』


ヴィル『くっ！魔法で操縦しようとしても、槍から放たれるパワーが大きすぎて安定しない！』


必死で動きを安定させようとするが、魔力の強さに圧され矛先がフラフラとしてしまう。そんな彼の元に小さな姿が隣に寄り添った


ヴィル『！！レイラ！？』


『私も支える。少しでもヴィルさんの力になりたい！それに、一人よりもきっと安定する』


ヴィル『そうね、ありがとう。エペル、ユウ！あんたちも来なさい！4人で本体を支える。ルーク！照準はあんたが定めて！』


『『はい！』』


ルーク『ウィ！狩人として失敗はできないね。いざ、タイタン狩りだ！』











タイタン『ガアアアアア！！！』


ルーク『ここだ！』


ふらつきながらもなんとか槍の先をタイタンへ向けることが出来た。だがその時にはタイタンはヴィルたちの目の前まで来ていて、今にも拳を振り下ろさんとしていた


ヴィル『っ！間に合わない！』


『みんな、少しの間槍をお願い！』


ユウ『レイラっ！？なにするの！？』


突然槍の支えを止めて一歩前に出ると、ペンを構えて魔力を集中させた


タイタン『キエロォォォォオオオオ！！！』







『私達の、みんなの邪魔をしないで！』





ズズズズ...


魔法石が強く光ると、タイタンの背後の床下からタイタンを包めるほどの巨大な闇の手が出現した。その手はタイタンの振り上げた拳を掴み、強力な力で捻り上げたかと思うと、なんとその拳を捩じ切った


タイタン『ガ、アアアアアアッ！！！』


グシャッと嫌な音を立てて捩じ切られた腕を見て、タイタンは悶絶のうめき声を上げる


『っ、みんな、今！！』