第75章 *拡大デンジャー*

ジャミル『..と、いうわけで円陣を組んではみたが..』


アズール『この後どうするんですか？』


リドル『ボクは円陣のルールについては詳しくないけれど、誰かが号令をかけ、その後解散するのが一般的なはずだ』


レオナ『おい、やるならさっさとしろ。このお寒い状況で、風邪を引いちまいそうだ』


催促するレオナを横目に号令役をどうするかと全員が互いの顔を見つめる中、ただ一人の視線だけはまっすぐにある二人を捉えていた


ルーク『では、ユウくんとレイラくんに掛け声をお願いしようか』


ユウ『はぁああ！？』


『！..いいの？』


ヴィル『いいわね。このままじゃ誰が何を言うかだけで揉め始めそう』


エペル『気合入れるやつを頼むぜ』


突然の指名に戸惑うユウだったが、ポムフィオーレ3人からの期待と、他のメンバーからの早くしろと言わんばかりの視線に腹をくくる事にした


『どうする？』


ユウ『ノリノリだね。う〜ん、じゃあスタンダードなやつにしよっか』


耳貸して、と言い耳元で掛け声の言葉を小さく伝えると、笑顔で頷いたレイラの肩を優しく叩く


一方、レイラは危機的状況にも関わらず嬉しくて仕方なかった。大好きな人たちと初めての円陣に、両隣の温もりと全員の顔が見渡せることが、いつになく彼らのことが愛おしく、また心強いと思い、不思議と力が湧いてくる感覚に心地よくなった


ユウ『いきますよ』


『『ナイトレイブンーーファイッ！』』


『『『おーーー！！！』』』













ヴィル『じゃあ、ここから三手に分かれて攻略していくわよ』


ルーク『リドルくん、アズールくん。そしてレオナくん、ジャミルくん。くれぐれも気をつけて』


レオナ『てめぇに言われなくても』


リドル『先輩方もお気をつけて』


『みんな..』


リドル『どうしたんだい？』


『絶対、また会おうね。絶対だよ？』


リドル『約束しよう。必ずキミと再会すると。勿論、ここにいる全員で』


アズール『レイラさんも、どうかご無事で』


ジャミル『何度も言うが無茶だけはするな』


『..ん』


レオナ『おいヴィル。この危なっかしいウサギを、しっかり守れよ』


ヴィル『それこそあんたに言われなくたって』