第75章 *拡大デンジャー*

エペル『でも、おじさんが脱出するためにも必要なんじゃない、かな？』


職員『私なら大丈夫。生まれも育ちのこの島の中だ。どうとでもなる』


ルーク『お心遣い、感謝します』


職員『こちらこそありがとう。どうか気をつけて』


そう言って職員は背を向けて歩きだし、ルークたちはその背中を見届けたあと目の前の巨大な要塞へと歩き出した


ルーク『さあ、行こうか。我らが女王の御前へ！』







嘆きの島・S.T.Y.X本部内



『ユウ..』


ユウ『ん？』


『ごめん』


ユウ『..手、つなごっか』


『ん』


ユウ『レイラは優しいから、大好きな人達を守りたいんだよね。でも僕もみんなもレイラを守りたいよ。無茶はもう仕方ないかもしれないけど、それでも自分を大事にして。頼れるときは僕らを頼って。まぁ、僕は魔法を使えないから足手まといだし力不足だろうけどさ』　


『ユウは足手まといじゃない。いつも助けてくれるし、頼りにしてるもん。私、ユウがいるから毎日頑張れるの。魔法が使えなくても、ユウは凄いこといっぱいしてる』


ユウ『レイラ..ありがとう』


少し力を強めると、手の中の小さな温もりをより感じ、ユウの心にもその温もりが伝導したかのように温かくなっていった




ルーク『レイラくん。そのままユウくんの側にいて彼の警護と全体の警戒を頼めるかな。君の素晴らしい聴力はこの入り組んだ施設内でカローンたちの動きを掴むのにはとても心強い』


『分かった』


ルーク『エペルくんは彼女と私の援護を。そしてカローンたちと交戦になったときは、先程のユニーク魔法を。君のユニーク魔法がカローンには一番効果的だ』


エペル『はい！』


ルーク『ユウくんは戦いで周りが見えなくなってしまった私達の援護。君の広い視野で死角からの攻撃を教えてほしい』


ユウ『頑張ります』


ルーク『ヴィル達の居場所はまだまだ遠い。全員気を引き締めて、決して油断せずに行こう』


『『『はい！』』』














［良い匂いダ。ボクの腹を満たし力を強める美味しそうな匂イ。この下にはごちそうが埋まってるみたいだねェ］


『ノア』


［ウサギチャン。ここは彼らに丸投げして下に行こうヨ］


『だめ。大人しくしてて』


［ハイハイ］