第73章 *海上フライト*

イデア『驚いたのはこっちですわ。どうやってここに？』


ルーク『その質問に答える前に、まずは確認させてくれないか。S.T.Y.Xが連れ去ったみんなは、無事なのかい？』


僅かに眉をひそめて真っ直ぐ見つめると、イデアは捕まった身でありながらちっとも言うことを聞かないリドルたちの姿を思い出し軽くため息をついた


イデア『悪の秘密組織ぶるのも飽きてきたから素直に教えてあげるけど、全員呆れるくらいピンピンしてるよ』


ルーク『ああ、良かった！！彼らが連れ去られてからずっと、心配で心臓が張り裂けそうだったんだ』


イデアの言葉にルークの表情が安堵に包まれる。彼の隣でもユウ・エペル・レイラも同じく安心していた　





イデア『というか..君たち学園でカローン班に秒で負けたんだろ。勝算ないのに、なんでこんなところまで追いかけてきちゃったわけ』


ルーク『言っただろう。ヴィルの危急存亡の時だと』


オルト『危急存亡。辞書によれば、「危機が迫り、生き延びるか滅びるかの重大な瀬戸際」のことだね。ルーク・ハントさんは何度もその言葉を口にするけれど..ヴィル・シェーンハイトさんは、何か命に関わる重大なトラブルを抱えているの？』


ルーク『いいや、しかし時を失すれば、あるいは。私達はヴィルの危機的状況を打破するために馳せ参じた。愛する友のためならば、この身がどうなろうと構わない』


そう言って抱えた荷物の中から、ゴソゴソと化粧品の入ったポーチを取り出しイデアへと差し出す


ルーク『どうか、ヴィルにこれを届けてくれまいか..！』


イデア『なにこれ？飲み薬..じゃないよね』


ポーチを開け青色に光る液体の小瓶に頭の上に？を浮かべるイデアの側で、オルトが解析を行い始める


オルト『主成分は水、ビタミンＣ、コラーゲン、薬草由来の精油..これってもしかして..』


ルーク『そう！ヴィル愛用のスキンケア用品さ！』


イデア『命に関わる薬じゃないんかい！！！』


ユウ『まあ、そうツッコミしたくなりますよね』


『でも大事だよ？ヴィルさんお肌荒れちゃうと多分、またオーバーブロットしちゃう』


ユウ『だろうね』