第3章 不思議の国、私の力
「俺は、透。よろしく」
「紅葉です。よろしくお願いします」
「紅葉顔あげてみ」
「えっ!?」
フェンリルは、私の顔を覗き込みポケットから取り出したハンカチで頬をぬぐった。
「な、何!?」
「煤がついてた。もうO.K.だ」
「あ、ありがとうございます!」
(この人は、以外と紳士的なのかな?)
消炎の臭いに不似合いな品の良さがあってなんだか戸惑ってしまう。
「アタシも自己紹介したーい!黒の10、セスでーす🎵この子は、黒のジャック、ルカよ。これも何かの円だし仲良くしましょうね。透君、紅葉ちゃん」
「そんなことより...新手、来てるけど」
「「えっ!?」」
振り向くと赤の兵舎から敵兵がどっと溢れ出すのが見えた。
(まずい!)
「んもう!フェンリルが派手に打ちまくったせいよ。このバーサーカーバカ!」
「キーキー言うなって。これでもやり足りねぇの耐えてんだぜ?誉めるよ」