第3章 不思議の国、私の力
「紅葉、落ち着け」
「うん...」
私は、何度も深呼吸をしつつ、これは、現実だと胸の中で言い聞かせる。
「あっ!そういえば...さっきヨナと名乗る人かに怪しまれて捕まりかけたんですけど、彼が私たちにはめた手枷にも光る魔法石があしらわれてました」
「あれも魔法石だよ。決して外れない魔法がかけられてあったんだろうけど、それを君たちが弾き飛ばした」
「見たのか?」
「うん、実は、わけあって僕は、直接君たちを助けることが出来なくてね。代わりにこの馬車を走らせてくれてる男『帽子屋』に代理をお願いしたんだ」
(だからあの人私たちを助けてくれたのか...。恩人だしぽんこつって言われたことは、水に流そう)
「それにしても、どうして私、魔法を弾き返せたんでしょう?」
「『魔法の無効化』は、この国の住人には、使えない力だ。君たちがいた世界『科学の国』の住人の特権だよ数年前にも同じことがあってね」