第3章 不思議の国、私の力
「君たちは『不思議の国のアリス』を知っているかい?」
「題名くらいは聞いたことあるけど...」
「何言ってるの!?透有名なおとぎ話じゃない!」
「そんなメルヘンな話興味ないんだよ」
ブランさんは私達の会話を聞いてフフッと笑った。
そのあとブランさんは話を切り出した。
「『不思議の国のアリス』はおとぎ話なんかじゃないよ紅葉、透、その証拠に
君達は、今こうして不思議の国へやって来た」
私は、言葉を発する出来なくなった。
先に口を開いたのは透だった。
「えっと......俺たちのことからかってる?」
「私たちは、そんな冗談を真に受けるほど子供じゃないです」
「僕の言葉が真実だと信じさせてあける...見てごらん?」
ブランさんは、窓を指差した。
(何あの光?)
噴水の真上で水晶が宙に浮かび七色に光を振り撒いている。
道に並ぶ街灯も、ランタンの中で電気の代わりに宝石が柔らかく輝き、夜の闇を払っていた。