第3章 不思議の国、私の力
「これっ!手枷」
「なにするんだよ!」
宝石があしらわれた手枷は、軽くて華奢な作りなのに私の力じゃびくともしない。
どうやら透も同じようだ。
「どうあがこうと外れないよ。君たちが泣いてひざまづいて謝罪するまではね」
「容赦がないんですね。ヨナさん。困ったものです」
「『容赦がない』?君だけにだけは、言われたくない言葉だね。エドガー」
「なんのことだか?」
(この人達怖い)
私は、そう思った。
(もう!落とし物を届けたいだけなのに何でこんな目に遭わなくちゃいけないの!)
「こんなのすぐに外せ!急いでんだよ」
「お願いだから外して‼️」
私と透が同時に叫んだとき不思議な力によって手枷が外れた。
(何⁉️今の光は何?外れたからいいや)
「魔法を弾き飛ばした?」
「まさか、君たちはアリスなの?」
「魔法?アリス?」
訪ねかけようとした時自由になった手首を誰かがつかんだ。