第9章 寄り集まるグリフィンドール
ハーマイオニーに拒絶され、思わず黙りこくってしまう
(やっぱりすごく傷ついてる……もー、ロンったら、未来のお嫁さんになんてこと言うかなぁ)
ヴィオラの心の声のとおり、数年後、ロンはハーマイオニーと結婚する
ハーマイオニーとロンはなんだかんだあって無事結ばれ、子供を授かるのだ
(まあ今はまだ子供だからねー)
ロンへの文句は置いておいて、泣いているハーマイオニーへと声をかけ続けた
「ハーマイオニー、私は落ち着くまでここにいるから、出てくるなら一緒に行こ」
「ぐすっ……」
「………………」
本当はこんな事をしている場合じゃない
もうすぐトロールが来てしまう
でも、今のハーマイオニーにどうやって声をかければ良いか分からなかった
だから、そう言うしかできない
「ねぇヴィオラ……」
「ん?」
しばらくすると、ハーマイオニーが泣きながら話しかけてくる
鼻をすすりながら声を出す
「あなたも…ロンと同じこと思ってる?」
「同じことって?」
「私の事を、嫌味な奴だと思ってるのかって」
「どうして?」
「……私はいつも周りに同じような事言ってるもの、ロンだけじゃない、他の人にもそういう話し方をしたかもしれない」
「……でも、それは私達の為を思って言ってくれてるんでしょう?」
「…………」
「ハーマイオニーって、いつもそうじゃない?
頭が良くて、小さな気配りもできて、どんな時でも分からないことを教えてくれる」
汽車で初めて会った時、私の事を心配して一緒に解決方法を考えてくれた
ハリーに、「マリエレンダ」の事を分かりやすく教えてあげてた
他にも沢山ある
どんな時でも、自分以外を気にかけていた
それだけで十分だ
「…私はそんなに優しい人じゃないわ」
「ふふ、ハーマイオニーが言うならそうなのかもね、でも、私は少なくともそう思ってるから」
「…………どうして、ヴィオラはそんなに私の事を気に掛けてくれるの?」
突然、そう言われる
その問いに考える時間なんて必要なかった
だって、答えはすぐ側にあるのだから
だから
一呼吸して言った
「だって、私は、ハーマイオニーが大好きだから」
個室トイレのドアに、額をくっつけ掌を当てる
向こうから感じるのは彼女の体温
ヴィオラに、縋るかのようにドアに引っ付いているのを感じた