第9章 寄り集まるグリフィンドール
「それに大事な友達が泣いてたら、悲しくなっちゃうよ」
少しだけ笑いながら言う
それのおかげで、ドア越しにつたわるハーマイオニーの雰囲気が和らいだのが分かった
「ヴィオラこそ、優しいわよ」
「あはは、私はやりたい事をやっているだけだから
でも、ハーマイオニーにそう言って貰えるのは嬉しいかな」
「……ありがとう」
鼻を拭くようにしてお礼を言われる
ハーマイオニーはドアの開け、ヴィオラを見つめる
その瞳には、安心という言葉がピッタリなほど嬉しそうに揺れていた
「んもぅ〜、可愛い女の子がこんなに泣いてちゃダメだよ〜」
涙でグッシャリと濡れていたので、ローブの袖を使って顔を拭いてあげた
ハーマイオニーが少し気まずそうに言う
「なんだか……行きづらいわね」
「安心してハーマイオニー、今度ロンとかシェーマスがハーマイオニーの事悪く言ったら私が回し蹴り食らわせてあげるから!」
「それだけはやめておいた方が……」
冗談で言ったつもりだったのだが、何やらハーマイオニーが必死そうな、怯えているような顔をして止めてくる
(?)
その理由を、本人は知る由もない
その時
ドスン
ドスン
「「!!」」
強い足音のようなものが鳴った
思わず顔が強ばる
(まさか……もう?!)
ハーマイオニーは、唖然とヴィオラの上を見つめている
それにつられ、振り返る
ゆっくりと首を回して後ろを見た
そこには、予想していた通り
「フゥゥン」
鼻息を荒くしてこちらを見つめるトロールがいた
「隠れてハーマイオニー!!」
咄嗟に個室トイレのドアを開けて中に隠れる
ハーマイオニーを壁際に寄せて守るように立った
「ガァアア!!」
ガシャーン!!
「きゃあああ!」
ドアを閉めた途端、トロールが持っていた棍棒で扉の上部分を叩く
そのせいで、扉は粉々になりハーマイオニーは悲鳴を上げて怯える
「こっち!」
ほふく前進で瓦礫の中を進み、水道の下にしゃがむ
(ひいいいい!!怖い怖い!!)
ヴィオラも内心は怯えていた
すると、
「ハーマイオニー!ヴィオラ!」
「ハリー!?ロンまで!」
「大丈夫か!?」
「助けてぇ!」
ハリーとロンが助けに来てくれた
ヴィオラが二人を呼び、ハーマイオニーが助けを求める