第9章 寄り集まるグリフィンドール
シェーマスやディーンも彼女の黒い笑みに怯えている
が、ヴィオラは気にせずロンに怒った
「ロン、今のはだめでしょ?ハーマイオニーはロンのために言ってくれたんだから」
「っだってあいつ、いちいち嫌味っぽいんだぜ?いつも見下してるみたいな言い方して」
「そうだね、ハーマイオニーは確かに言い方はキツイよね
でも、いつもロンのために教えてくれてるんだよ?浮遊の呪文を間違っていたのは誰?」
「…………僕」
「そう、間違っていたのはロンだよ、それに杖だってあんなに振り回しちゃ怪我しちゃう
ちゃんとハーマイオニーと話し合って仲直りして
ロンだってハーマイオニーとおしゃべりしてみればきっと楽しいよ」
「……分かったよ」
「うん、ありがとうロン、それじゃあ私はちょっと行く所があるからこれでね」
ロンに反論させる隙を与えず、ヴィオラは論破し、そのまま去っていく
ハーマイオニーがいる女子トイレに行かなければ
トロールがやってきて、危険な目に合うのだから
あれは体験させる必要は無い
あの三人は別の展開で仲直りさせれば良い
トロールはそれほど危険すぎるのだ
ヴィオラは迷わずハーマイオニーを追って本校舎へと歩いた
「なんかさ……」
「ん?なんだいロン?」
ヴィオラが去っていった後、ハリー達はぽかんとし、そのまま佇んでいた
ロンが彼女の去っていった方向を見つめて言う
「ヴィオラって僕達より年上な感じしない?」
「あー、確かに、ヴィオラってなんか子供みたいだけどいざとなったらしっかりしてるよな」
ロンの言葉にシェーマスが同意する
「この間も俺が水を爆発させた時優しく顔を拭いてくれたからなー、お姉さんって感じだよな」
「シェーマス、なんでも爆発させる癖は治した方がいいぞ」
「ディーンの言う通りだよシェーマス、僕の隣で何度も羽を爆発させたらやだよ」
「ごめんってハリー」
「まあヴィオラには弟がいるからそういうのがあるんだろうな」
「「「…………………………」」」
ディーンの言葉に全員が沈黙して納得する
彼らの間でヴィオラは、優しく、可愛らしい女の子だが、いざとなったら頼りになる同級生という認識が広まったようだ
「僕、ハーマイオニーに今度会ったら謝るよ」
「うん、そうした方がいいよ」
ロンは改めてヴィオラとの約束を果たすことを強く決めた