第8章 シーカーの誕生
ヴィオラ目線
「チュン、チュン」
「はぁ〜、なんか……色々ありすぎて、疲れたよ……」
ヴィオラは今、自分の部屋で小鳥達と話をしている
正確に言うと、彼女が小鳥に話しかけているだけだ
今日は休み
皆、悠々自適に好きな時間を過ごしている
ロンはチェスをしに談話室に
ハーマイオニーは図書室で勉強
ハリーはウッドとシーカーの練習をしている
(やっぱりフラッフィーは怖いよ……実際に見たら悲鳴が出たしね)
彼女はソファに寝っ転がり、先日の事を思い出していた
フラッフィーとは、あの三頭犬のことだ
あれはハグリッドが飼っているのだが、賢者の石を守るために、あそこを住処として利用させている
4人は、フラッフィーに襲われ、食べられそうになった
たとえヴィオラが原作を知っていても体験すれば怖い
「そういえば……なんでドラコは襲われたんだろ?」
一人、呟く
この間、飛行訓練の時に、ドラコが箒で空を飛んでいたら大きな鷹に襲われたのだ
爪やくちばしで攻撃されたため、彼は今身体中に傷ができている
なので、医務室のマダム・ポンフリーから絶対安静と言われていた
でも、それはおかしかった
原作ではドラコが鷹に襲われるなんてない
それに、その前にもネビルが骨折することが無かった
なぜ、内容が変わっていっているのか?
「………………」
(一回紙に書いてみようかな)
ソファから起き上がり、紙と羽根ペンを用意する
ペンにインクを付けて、紙に走らせた
スラスラスラ
自然に、頭の中に浮かんでくる
ヴィオラは原作で重要な出来事をまとめている
(出来る限り、思い出さないと……)
「できた!」
紙を持ち上げ、内容を確認する
間違いはない
大事な出来事はこれくらいだったろうか?
「賢者の石」
クィレル先生 死亡
「秘密の部屋」
ハーマイオニー 石化
ジニー 日記に操られる
ハリー 秘密の部屋の扉を開き、分霊箱を破壊
「アズカバンの囚人」
シリウス・ブラック 脱獄
R・J・ルーピン ホグワーツ教師としてやって来る
逆転時計で時を戻す