第7章 ホグワーツでの日常は
(あ、この流れだったらもしかして……)
「それはネビルの物だぞ」
「だからなんだ?お前がでしゃばる場面じゃないぞポッター」
2人は『思い出し玉』をめぐって険悪なムードになっている
周りはそれを見ているだけ
これならば、ハリーとドラコの箒に乗っている場面が再現出来るかもしれない
「………………」
ヴィオラはあえて口を挟まない
ここで失敗すれば彼がシーカーになる可能性がなくなってしまうかもしれないから
「返さないと先生に言うぞ?」
「おお、怖い怖い、名高きポッターは先生にチクることしか出来ないのか」
ハリーが少し低めに言うが、無駄だった
ドラコが面白そうに言うと、またもや周りが笑いだした
そして、その時がきた
「ほら、どうしたポッター?ついてこられないのか?」
ドラコが箒にまたがり、空をゆったりと飛んだ
そして、原作と同じ挑発をする
「っ……」
「ハリー!飛んじゃダメ!先生に言われたでしょ?それに、飛び方も知らないくせに!」
ハーマイオニーが止めるも、ハリーは挑発にのり、飛んでいってしまう
「なんて馬鹿なの……」
ハーマイオニーがそう言うが、もう遅い
彼らは悠々と空を飛び、『思い出し玉』を返す、返さないで争っている
(ここだ!良かったぁ、ちゃんと原作通りだ)
ヴィオラはほっと安心した
だが2人の喧嘩が止まる訳では無い
「それを返さないと箒からたたき落とすぞマルフォイ!」
「ふん、取れるものなら取ってみろ」
原作通り、二人は言い争い、ドラコが『思い出し玉』をどこかへと投げる
ハリーがその玉を追い、普通の箒ではありえない程のスピードを出す
あれならばシーカーになる事間違いなしだ
(あ!取った!)
色々考えていると、ハリーが『思い出し玉』を取り返した
ハリーはそれを見て「やった!」と言わんばかりに笑い、ゆっくり地面に降りてきた
皆が歓声をあげ、ハリーを称える
(ふう、どうなるかと思ったけど、元に戻って良かった…)
ヴィオラは原作通りにいったことに安心する
しかしそこで、異変が起きた
「うわああ!」
「へ?ドラコ!?」
空からの声に驚き、上を見る
すると、箒に乗ったドラコが大きな鳥の爪に引っかかれたりくちばしでつつかれたりしていた