第7章 ホグワーツでの日常は
「兎の目、ハープの音色、この水をラム酒に変えよ……
兎の目、ハープの音色……」
なんだか怪しげな呪文を唱えている生徒がいる
「シェーマスはあの水をどうしたいわけ?」
ハリーがロンにそう聞いた
シェーマスという生徒は、先程からああやってずっと謎の呪文を唱えているのだ
結末は知っているが、なんて物騒な……
これからシェーマスに訪れる災難に備え、ヴィオラはハンカチを構える
ロンが言う
「ラム酒に変えるのさ、昨日はお茶に変わったけど……」
バァン!!
「うわぁ!」
フシューと爆発したあと特有の音が響き渡る
やはりこうなったか……
シェーマスが呪文に失敗したのだ
(分かってたけど、やっぱりびっくりするよ……)
ヴィオラはすぐにシェーマスに駆け寄り、ハンカチで彼の顔を拭いた
「大丈夫?シェーマス」
「あ、うん、ありがとう」
「?」
ヴィオラがシェーマスにそう言うと、さっきまで大笑いしていた周りが急に静かになり、シェーマスが凝視された
心なしか、シェーマスの顔が赤くなっているように思える
(……なんで?)
「あ!郵便が来た!」
突然のロンの声により、全員の視線が天井に向かう
(あ!マロンもいる!)
ヴィオラは自分の席に戻り、フクロウを待った
するとマロンはゆったりと降りてきて、くちばしに挟んである手紙を渡してくれた
「ありがとうマロン!」
「ホーウ!」
頭を撫でてお礼を言うと、マロンは羽ばたいて行ってしまった
手紙を開き、内容を見る
『ヴィオラへ
入学式はどうだった?ヴィオラの事だから何事もなく楽しく過ごせただろうけど、やっぱり心配ね
エドワードも寂しがってるから、沢山お手紙待っています
母より
ヴィオラへ
学校はどうかな?ヴィオラはずっと魔法を勉強してたから成績は良いだろうね、かつてのエルラを思い出すよ、あの時も、エルラは美人で賢くてモテモテで、すごく人気があって……
ヴィオラ!絶対に男にはなびいちゃダメだぞ?!
お婿さんを紹介しに来たら父さん泣いて家出してやるか』
パタリ
父ダニーの書いた文章の途中で、ヴィオラは読むのをやめた
理由は察してくれ
(残りは部屋で読もっと……)