第6章 ホグワーツへ行こう!
自分は、人を失う悲しみを知っている
麗乃の時から、
両親を失ったときから、
死の悲しみは、ずっと彼女について回っていた
悲しくて仕方がなかった
寂しくてしょうがなかった
でも、映画は私を救ってくれた
架空の物語が流れていって、
キャラクターは自分とは違う人生を歩んで
まるで自分自身がお話の中に入っていったかのような気分になれた
「ハリーポッター」は特に、自分に影響を与えてくれた
ここに出てくる人々は皆、私の恩人も同然だ
「……私は、そりゃ悲しいのは嫌です、大切な人が死ぬのは、自分が死ぬよりも嫌ですから
でもそれは、他の人も同じなんです
自分よりも誰かを大切に思うこと、それが誰かを愛するってことだと私は思うんです
だから、私は皆の愛する人を守りたい、
世界平和はもちろん重要だと思いますけど、私はただ、それしか望みません」
「ほう………………」
「自分だけで何かを成し遂げられるとは思いません
幾千もの悲しみが襲ってきても、耐えきれる自信もあるとは言えません
でも、守りたいっていう強い想いは、あります」
ヴィオラが帽子に向かってそう言うと、帽子はしみじみと聞いてくれた
「だから、組み分け帽子さん、私の組を選んでください、あなたが「ここがピッタリ」と思うところに入れてください」
「ふーむ……それがたとえスリザリンだとしてもか?」
「選んでもらえるのなら文句なんて言いませんよ」
「ほーう、君は本当におもしろいな……では」
心臓がバクバクする
一呼吸してから、帽子は言う
「グリフィンドール!!」
瞬間、大きな拍手が会場を包み込んだ
マクゴナガルが帽子を取り、席に着くように促す
それでダンブルドアを見やると、彼はとてもやさしく微笑んで、手で席に行くように示してきた
それを見届けて、ヴィオラはグリフィンドールの方へといった
席では、沢山の人が歓迎してくれて、皆が笑っていた
「ヴィオラ!こっちこっち!!」
ハリーに名前を呼ばれたのでそちらの席に座る
ハーマイオニーやロンがとても嬉しそうに話しかけて来る
ジョージやフレッドもだ
とても温かくて、心地よかった