第6章 ホグワーツへ行こう!
「ドラコ・マルフォイ」
「スリザリン!」
ドラコが前に出て帽子を被せられた瞬間、帽子はすぐにそう答えた
ドラコは不敵にニヤリと笑い、スリザリンの席へと行った
(やっぱりドラコはスリザリンかぁ、これからの流れ的にもドラコはスリザリンがいいと思うけど……可哀想だもんなぁ)
ドラコの結末を思い出し、少々哀れに思った
そんな事を考えている間にも、帽子は次々と生徒の組を告げていく
ロンはやはり帽子に叫ばれていた
ハリーもグリフィンドールに無事入れた
(ていうか…………組決める時、私フード脱がなきゃじゃない!!)
今更になってヴィオラは思い出した
帽子を脱げばタヌキ耳であるということがバレてしまう
だが脱がねば組み分けはできない
まさにピンチだ……
「ヴィオラ・マリエレンダ」
「ひっ」
パニックになっていると名前を呼ばれてしまう
(ぎゃああああ!神様仏様マクゴナガル様!お願いです!助けてください!!)
『なぜにマクゴナガル様?』
心の中で無意味な叫びを上げながら階段を上る
一瞬、例の神様の声がした
震える足を無理矢理抑え、椅子の前に立つ
やはりフードをしているので、上級生や、教師陣でさえも訝しげに彼女を見た
一人マクゴナガルはヴィオラの事情を知っているがこればかりはどうしようもない
「脱がなきゃダメですか」と小声で問うも、マクゴナガルからはコクリという頷きしか返してもらえなかった
もうここまできたらやけだ
もういっそ目立つだけ目立ってやる
そうして、ゆったりと
フードを脱いだ
カチャンと、
ダンブルドアが持っていたスプーンを落とした
ザワザワ
案の定、皆がヴィオラのタヌキ耳を見て騒ぎ出す
タヌキ耳はフルフルと動いている
セドリックもヴィオラを見て疑問に思った
(あれは、あの時の……なんでタヌキ耳が生えているんだ?)
マクゴナガルはヴィオラに座るよう促した
言うことを聞き、大人しく座った
(うわぁー、皆に見られてる……ダンブルドアもじっと見てるし、何よりあのスネイプ先生まで!!)
少し右を見ると、いつもの倍以上目を見開いてるスネイプがいた