第6章 ホグワーツへ行こう!
「空じゃなくて天井よ、魔法で夜空に見えるだけ」
「『ホグワーツの歴史』に載ってたよね」
「ええ、ヴィオラも見たの?」
「うん、『ホグワーツの七不思議』とか見てて面白かったよ」
「そんな所まで?なんだか負けた気分だわ……」
「あはは…」
相変わらずハーマイオニーは勉強面では負けず嫌いだ
だがそこが彼女のいい所と言えるだろう
(あ……)
一瞬セドリックが見えた
彼をずっと見続けたがヴィオラはフードをしているので気づいては貰えなかった
「はい、ここでお待ちなさい
では、儀式を始める前にダンブルドア校長からお話があります」
マクゴナガルは教師達の前で新入生を待たせ、目の前の椅子の隣に立った
それを見て、ダンブルドア校長が「ぅおっほん」と言った
(ガチでサンタさんだ……)
祖父の葬式に来てはくれたがヴィオラはその時別の場所にいたので直接会ったことはなかった
だから、世界一すごい魔法使いとも言えるダンブルドアを見るのはとても新鮮な気分だ
ダンブルドアが話す
「まず始めに、注意事項を言っておこうかの、
1年生の諸君、暗黒の森は立ち入り禁止じゃ、生徒は決して入ってはならぬ、
それから、管理人のMrフィルチからも注意事項がある、
右側の三階の廊下には近寄らぬこと、
そこには恐ろしい苦しみと死が待っている
以上じゃ」
低い声色で結構怖いことを言っておきながらも最後には「以上じゃ」とひどく可愛らしく終わらせる
(すごく生徒の扱い方を分かってらっしゃるよダンブルドアっ)
やはり何十年もホグワーツの校長を務めているだけあり、貫禄というものが感じられた
マクゴナガルが前に出る
「名前を呼ばれた生徒は前に出てきなさい
この組み分け帽子を頭に乗せます
帽子が、寮を決めてくれます」
マクゴナガルはそれだけ説明すると名前の書かれたリストに目を向け、読み上げる
「ハーマイオニー・グレンジャー」
「どうしよう……大丈夫……落ち着いて……」
ハーマイオニーがリラックスするために小声で自分を落ち着かせようとしていると、ロンがハリーに何かを言った
その何かはヴィオラは知っているのだが無視した
「グリフィンドール!」
組み分け帽子にそう告げられると、ハーマイオニーは嬉しそうにグリフィンドールの席へと駆けて行った