第6章 ホグワーツへ行こう!
「せ、先生!」
突如呼ばれたマクゴナガル先生はぴたっと立ち止まり、こちらを振り返る
すると僅かに目を見開いた
ヴィオラは駆け寄り、事情を説明した
「あの!突然すみません、問題が発生しまして……」
「っ………………」
「せ、先生?」
「……コール?……あなた……Msコールなの、ですか?」
「?いえ…………違います」
「……………………………………」
マクゴナガル先生の様子がおかしい
ヴィオラを見て息を飲み黙ってしまう
その瞳からは、耳を見て驚いているという事は感じられない
そこにヴィオラがいるということに驚いているようだった
ずっと見つめているとマクゴナガル先生は我に返り、ヴィオラに話した
「っ申し訳ありません、人違いのようです、それで?貴方、一体その耳はどうしたのです」
「その、汽車の中でチョコを食べたらこうなりまして……」
「どういうことです、魔法は弱められているはずですが……」
「その、これなんですけど……」
ヴィオラはそう言ってローブの中から先程のチョコのパッケージを取り出す
こういうこともあろうかと、ちゃんと持ってきて調べてもらおうと思ったのだ
「これは………」
「?」
「チョコの魔法が半分しか弱まっていませんね……おそらくそれで変身が解けないのでしょう」
「その……治ります?」
「一日経てば元に戻りますが…………夕方頃に談話室という場所で待っていてください、すぐに監督生に元に戻る薬を持って行かせます」
「じゃあ、入学式は……」
「そのまま出るしかありません……」
マクゴナガル先生が発した言葉にヴィオラは絶句した
このままで上級生の前に姿を現し、ホグワーツ生デビューを歴史に名を残すような形にしなければならないのか
「………………………………」
もはや、なすすべは無かった
そんなヴィオラを見て、マクゴナガル先生は先程と同じ周りとは違う視線を送る
明らかにおかしかった
だが、それも束の間で、すぐに彼女は会場へと入っていってしまった
元の場所に戻ると、予想していた通り、今はハリーとドラコの因縁の出会いの場面だった
今はその終盤と言えよう
このせいで周りの雰囲気が最悪になってしまっているので、それを吹き飛ばすかのようにヴィオラはドラコに話し掛けた