第6章 ホグワーツへ行こう!
「よく来た、イッチ年生!こっちだぞ!」
ローブに着替え、汽車から降りるとあの例の巨人族の森番が生徒達を誘導していた
彼の名前はハグリッド
巨人族の男性だ
巨人族とは言っても、彼はれっきとした人間である
母親が人間なので、彼は普通より背の高い人間として生まれた
ちなみに彼の異母兄弟はどちらの両親も巨人族なのでちゃんとした巨人だ
「ほらほら、グズグズせんと、急いだ急いだ、ほら」
ハグリッドに誘導され、生徒達は舟の方へと乗り込む
ハリー達とも話していたみたいだが、ヴィオラは早めに舟に乗ることにした
だって皆からの視線が痛いのだ
(耳としっぽのせいで変な目で見られてるよぅ!早くマクゴナガル先生とかに言って何とかしてもらわないとっ!!)
死にそうな思いで舟に乗り、ホグワーツへと向かった
「ようこそ、ホグワーツへ
さて、今からこの扉をくぐり、上級生と合流しますが…………」
マクゴナガル先生が何やら言っているが全く耳に入らない
耳は4つ、人間の耳とタヌキの耳で二組ついているのに何を言っているか聞き取れない
なぜなら、皆がヴィオラを凝視しているからだ
(そりゃタヌキの耳としっぽが生えてる同級生がいたらじーっと見るよね……)
しっぽはローブで隠せるのでまだ何とかなっている
だがあまりにもチラチラ見てくるので、顔を上げていられなかった
「大丈夫?」
声をかけられる
「ハリー」
彼は直ったばかりの眼鏡の下で目を歪ませ、本当に心配してるかのように聞いてきた
「平気平気、大丈夫だよ」
あまり心配させたくは無いので無理矢理笑って言った
するとハリーはその思いに気づいたのだろう
自ら彼女の耳を隠すかのように目の前に立ってくれる
ロンも、そんなハリーを見てヴィオラの後ろに立ってくれた
(いい子!なんていい子なんだろう!!)
ヴィオラは涙が洪水のように溢れてきそうだった
その姿は、まるで我が子の成長を見守る母親のようだった
「間もなく、組み分けの儀式を始めます」
そのマクゴナガル先生の言葉を聞いて、我に返る
(そうだ!先生に耳のこと言わないとっ!)
慌てて彼女の方へと駆け寄る