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銀のヴィオラ 『ハリーポッター』

第2章 不思議の国の麗乃




気が付くと、私は目から温かい水を流していた

「え?」

涙がとめどなく溢れて頬を伝う

(なんで?泣いてるの?)

ゴシゴシと目をこすり涙を乱暴に拭いた

「ここ、どこ?」

涙を拭き、周りを見渡す
すると天も地も真っ白で境目が分からないというなんとも奇妙な場所にいた
もちろんそこに見覚えは無い


「ここは、あの世だよ」
「え?」

声がした

人がいたんだ!良かった!と心の中でほっとして振り返る

すると、後ろにはとても不思議な人がいた
いや、これは人と呼ぶべきなのだろうか

白銀の長い髪に綺麗な金色の瞳
まるで、古代ローマのような衣装を着ており、ボリュームのあるスカートがふわりひらりと風もないのに踊る

中性的な見た目だった
一瞬男か女か分からなかったがよく見るとその人には女性特有の胸というものがなかった
だから、麗乃は男性と認識した

(ちょっと失礼だけど男性だから別にいいよね)

少しだけ胸で性別を分けようとした自分を恥じ、お詫びの言葉を述べた


「ここは、君が元いた場所じゃない、死んだ人が辿り着く世界だよ」
「……えっと」

何を言っているのだろうか
死んだ人が辿り着く世界?
それはつまり天国か地獄ということだろうか?

「あれ?覚えてないんだね、まあ仕方ないか、最後は朦朧としてたみたいだし……」
「あの、さっきから何を……」
「君、死んだんだよ?子供を守ってトラックに引かれたの」
「私が死んだ?」
「そう」


死んだ?
私が?
交通事故にあって?

「っあ!」

思い出した

引かれかけた男の子をかばって飛び出たのだ

私は死んだ

あの時、私死んじゃったんだ……


「う、そ」
「思い出したみたいだね」
「そ、んな、私、本当に」
「慌てないで、君は特別なんだ、ここで私に会うことが出来る人間なんて君しかいない」
「っどういう、ことですか?」
「君の魂は特別ってことだよ、すごく綺麗で、記憶を持って生まれ変わる事が出来る、特別な魂」
「……あなたは一体」
「私は、そうだな、人間からは神様って呼ばれてるよ」
「え」
「え?」
「ええぇぇええええ!!!!」
「そ、そんなに驚く?」


神様!?

今私の目の前に神様がいるの!?!?

はっ!

そういえば受験合格のために神頼みしたんだった!





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