第6章 ホグワーツへ行こう!
「ごめんねお姉ちゃん」
エドワードは背負われながら申し訳なさそうにヴィオラに謝る
「…………?」
なぜ謝ってくるのかがわからず、ヴィオラは黙ってしまった
「僕、体が弱いからいつもお姉ちゃんにおんぶしてもらったり、気持ち悪い時にずっと一緒にいてくれたり」
「エドワード……」
「ずっと僕のことばかりで疲れるでしょ?今日だってこうやって……」
「………………」
そう、エドワードは言った
エドワードは生まれつき体が弱く、小さい時からよく風邪をひいて熱を出していた
エルラの薬をもらっても、体は弱いままで、ダニーもエルラも、エドワードでさえ頭を悩ましていた
(でもまさか、エドワードの中でここまで負い目になってるなんてなぁ……)
予想はしていたが、気付かないうちに随分と気を使わせていたようで、少し罪悪感があった
ヴィオラは落ち込んでるエドワードに対して言う
「エドワード、私はね、エドワードのことが大好きだよ?」
「お姉ちゃん?」
「できることなら私の力で治してあげたいけど、魔法でかけられたもの以外は治せないから……私の方こそ本当にごめんね」
ヴィオラの使う『愛の魔法』
それは、「愛する者」に対してなら願うだけで様々なことができるようになるのだ
キスで怪我や病気を治したり、祈れば対象者に魔法を付与することが出来る特別な力
エドワードはそれに目覚めることは無かった
おじいちゃんが生きていた頃に聞いたが、『愛の魔法』は五歳になって目覚めるらしい
そして、魔法でかけられた呪いなどは解呪出来るが、それ以外の原因では『愛の魔法』は効かないということも
「お姉ちゃんが謝ることなんて……」
「ふふふ、エドワードは優しいね、でも、私もエドワードと同じ言葉を返すよ?エドワードが謝る必要はないの」
「…………」
「私はエドワードが大好きだからこうしてるだけ、私の好きでしてるんだもん、だからそんなに落ち込まないで」
「お姉ちゃ……」
「愛しい私のエド、ほら、笑って?」
生前の、ハンネスがよくヴィオラに言っていた言葉
それをエドワードに言うと、彼は少しだけ微笑んだ