第6章 ホグワーツへ行こう!
「ロンドンはいつもこんなに人が多いの?」
ヴィオラは目を少し見開き驚いた
フルーパウダーを使って移動してきたヴィオラ達は、路地裏から大通りに出てきた
そして、彼女の前にひろがる光景
あまりにも沢山の人通りに、ため息が出そうだった
「ロンドンはいつもこうだよ、人口が多い都会だからね」
「なんか気持ち悪い……」
「大丈夫?ねえお母さん、エドワードがたぶん人混みに酔ったみたいだよ?」
「あらあら、ほら、蜂蜜レモン持ってきたから飲みなさい」
マリエレンダ一家は今、ヴィオラの入学式の付き添いに来ている
ヴィオラはもうホグワーツに入り次の休みまでお別れすることになので家族全員で見送りに来たのだ
ブローは家で留守番である
「お父さん、この後ってどうするんだっけ?」
「駅でアーサー達と待ち合わせてるんだ、だからそこに行って、僕達は家に帰る」
「あれ?汽車まで来ないの?」
「ええ、私は薬の依頼があってね、すぐに作らないと間に合わないものだから、ダニーはエドワードの保育園に行かないとでしょう?」
「最後までついて行きたいけど、保育園の入園の手続きがすぐなんだ、だからアーサー達に頼んだんだよ」
「そうだったんだ」
つまりヴィオラを最後まで見送れないのでウィーズリー家に子守りを頼んだのだ
(それじゃあ、ハリー達に会えるんだ!!
でも、少し寂しいな……)
入学しても次のクリスマス休暇には会えるのだが、寂しいものは寂しい
「さて、こんな所でいつまでもウロウロしてたら汽車に間に合わないわ、ほらほら行きましょう」
エルラの一言により、皆が歩き出した
「エドワード歩ける?」
「うん、大丈夫……」
心配してそう聞き、こう返事が返ってきた
だがエドワードの顔色は少し青く、いかにも気分が悪そうだった
「ほら、乗ってエドワード」
エドワードの背丈に合わせて後ろを向き身を屈め、乗るように催促する
完全におんぶの体制だ
「でも、お姉ちゃん疲れるよ……」
「子供が何言ってるの、エドワードが気持ち悪くなっちゃうのは私も嫌だよ?だからほら、乗って」
「……」
そう言うと、エドワードはおずおずとヴィオラの首に腕を回し、足を絡めてくる
「よいしょっと」
立ち上がり、弟を背負い上げる