第5章 ダイアゴン横丁の出会い
マリエレンダ家といえば、有名な純血の家系だ
魔法界では純血が少なくなってきているため、純血である彼らは魔法省に重宝されている
さらに、マリエレンダに生まれてくる子供達は皆優秀な魔法使いや魔女になるらしい
「…………」
(彼女のピンクブラウンの髪は、綺麗だったな……)
セドリックが黙って彼女の去った方向を見ていると、エイモスが面白そうに彼を見つめた
「なんだ?惚れたのか?」
「へぇ!?何言ってるんだよ父さん!」
「おや、違うのか」
「当たり前だろ!」
「ははは、青春するのは良い事だな!お前はかっこいいから、きっと女の子がこれから寄ってくるぞ?」
「っ…………」
セドリックは顔をりんごのように赤くした
必死に否定するその様子がエイモスには可愛らしくて、ニヤニヤしてずっと我が子を見つめていた
ヴィオラ目線
(セドリックのジャケット、早めに返さないとな……)
ヴィオラはびしょ濡れの服の上に先程セドリックが着せてくれたジャケットをはおりながら走った
「お父さーん!お母さーん!」
ベンチでコーヒーを飲みながら休んでいるダニーとエルラに駆け寄る
二人は何故か目を大きくして驚いているようだった
「ヴィオラ、そんなに濡れて……」
「一体どうしたんだい?それにそのジャケットは?」
二人が瞬きもせずに目を見開くのでヴィオラは説明した
「さっき魔法を使ったらちょっとやりすぎちゃって……それで、セドリック・ディゴリーっていう男の子がジャケットを貸してくれたの」
そう言うと、二人はますます目を見開き
「男の子が?」
「ジャケットを?」
と言った
「???」
訳が分からず目をぱちぱちとさせていると、ダニーがメラメラしだした
「…………リーめ」
「え?なんて言ったのお父さん」
「あんのエイモス・ディゴリーめええええええええええええ!!」
「え?えええ?」
突如、ダニーが怒り狂いだした
エルラは放心状態で何も言わない
「あの野郎、息子をそそのかして僕の娘に手を出しやがった!!殺してやるぅぅぅぅぅぅううう!!!」
「ぎゃああああ!!ちょっとお父さん!なんてこと言うのさ!!」
ダニーが水瓶のオブジェの方に行こうとしたのでヴィオラが後ろから羽交い締めにして止める