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銀のヴィオラ 『ハリーポッター』

第32章 アズカバンの囚人



ルーピン先生はそう言って、ゆったりとロンに近付く



「ペティグリューは生きている、今そこにいる」

ルーピン先生は指を指す
それは、ロンを示していた

示されたロンはやはり納得いかず

「なに?まさか僕がそうだと言ってるの?」

と言った

しかし




「お前じゃない
そのネズミだ!」

シリウスが叫び、ロンに走り寄る

スキャバーズを捕まえようとするが、間にハリーやヴィオラが入った事で、それは出来なかった


「駄目だよシリウス!」
「離せババア!」
「バ!?」
「ヴィオラに向かってなんて事言うんだ!
少なくとも、ヴィオラはお前の何倍も若いぞ!」
「なんか微妙なツッコミ!」





ロンはスキャバーズを守るようにして言う

「こいつはただのネズミだよ!
それに、スキャバーズはうちの家族だ!」
「そいつは12年間も生きてるだろ?12年だ!
ただのネズミにしては、長生き過ぎないか?!」
「僕達がしっかりと世話したからだ!」
「そんな事は説明にはならない
そいつの指を見ろ、指が欠けてるだろ?」


それにより、皆がスキャバーズを見る

「チュウッ!チュ!!」

言われてみれば欠けてる気もする
一本だけ、指がないのだ


「卑怯者は指を切り落とす
死んだと見せかけて、身を隠したんだ」
「まさか、こいつは自分でやったのか?
君に罪を着せるために、自分で指を?」
「そうだリーマス
こいつは変身する直前に、指を切った
そして道行く人全員に聞こえるように叫んだ
ジェームズとリリーを殺したのは、この私だとな
奴に術を放とうとしたが、あろうことか、ピーターは杖で辺りを吹き飛ばしたんだ
おかげで何十人ものマグルが巻き込まれて死んだ
その隙に、ピーターはネズミに変身して下水道へと逃げ込んだのだ」
「あっ!」

ハーマイオニーが声を上げた

それにより全員が彼女を見る
ハーマイオニーは答えた


「その……確かに、ピーター・ペティグリューが亡くなった現場では、指だけが残されていたって思い出して……」

彼女の言う通りだ
現場に残されていた大きなものは、指だけ
だからペティグリューは死んだと見なされていたのだが、それは違う




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