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銀のヴィオラ 『ハリーポッター』

第32章 アズカバンの囚人



あの悪魔のような双子を思い出す
頭の中で2人が「ケケケ」と笑うのが浮かべられた








「ふぅ……ありがとう4人とも」

ルーピン先生が立ち上がって言う

が、ハリーもロンもハーマイオニーも、彼を完全には信用していない

「僕達、まだ先生を信じたわけじゃありません…」


それを聞いて、ルーピン先生は困ったように笑う
しかし「構わないよ」と言う


「私を信じるかどうかは証拠を見せてから決めるといい
ロン、ネズミを貸してくれるかな?」
「え?」
「お願いだ、そいつが必要なんだ」

ルーピン先生はスキャバーズーーもといペティグリューを見て言う

しかし突然そんな事を言われて渡せるはずもなく、ロンが反論する


「どうしてスキャバーズなんだよ、こいつは関係ないだろ?」
「あるんだ、そいつが我々のかつての仲間
ピーター・ペティグリューかもしれないんだ」
「え?ペティグリュー?」

ロンが疑問の声をあげる
当然だ
ペティグリューは死んだことになってるのだから




「チュウッ!チュウッ!」

スキャバーズは暴れている
ロンの手の中から逃れるように暴れる

「痛!こいつっ、なんで噛むんだよ」

どうやら噛まれてしまったようだ
血が滲んでいる


「先生、続きを…」
「あぁ、分かっている」

ヴィオラが促す
ルーピン先生はちゃんと目を見て応えてくれた


「ペティグリューは私達の学友だ
友人だと思ってた
つい最近まではね」
「ペティグリューは死んだはずだ、そいつが殺したんだ」

ハリーはそう言ってシリウスを指さす

確かにペティグリューを殺したのはシリウスになっている
シリウス・ブラックがハリーの両親を殺し、自分を追ってきたペティグリューを殺し、さらにはマグル達を大量虐殺したということになっている

だからアズカバンにいたのだが、シリウスは舞い戻ってきた
ペティグリューを殺すために



「死んでない、私も驚いてるよ
君がペティグリューの名前を地図で見て、すぐさま疑問に思った」
「地図の間違いだ」
「いや、地図は決して間違わない
私達が丹精込めて作り上げたものだ、そう簡単にはこの地図を騙すことなど出来やしない」




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