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銀のヴィオラ 『ハリーポッター』

第32章 アズカバンの囚人




その時





「うぅぅ」
「ロン!大丈夫?!」

ハリー達の声がした



「あれは…」

ルーピン先生の方を振り返る

しかし、彼はいなかった
おそらく隠れたのだろう

「ワン!」

シリウスがこちらを見ろと言わんばかりに鳴く

「クゥン」
「………」

その瞳は、まるで「大丈夫だ」と言っているようだった






「あの犬は?」

ハリーの声がした

そちらを見る

「ヴィオラ!?」
「え?どうしてここに?!」

ハリーとハーマイオニーとロンの姿があらわになる

「3人とも…」
「ヴィオラ離れろ!そいつ動物もどきだ!罠なんだよ!」
「あ…」

ロンが叫んだ

どう言えばいいのだろう
展開を知っているだなんて言えないし、下手な言い訳もできない




すると







『エクスペリアームス(武器よ、去れ)』

「「!」」

バッ!


ルーピン先生が、3人の杖を奪った

まさか信頼していた先生に杖を振るわれるとは思わず、3人は目を見開いて動かない


ハリーが呟く

「先生…?一体何を……」
「とりあえず、今はこうさせてもらうよ3人とも」

ルーピン先生はそう言って、シリウスの方に近付く

しかし

「ハリーを殺すなら私達も殺しなさい!!」

ハーマイオニーがそう叫ぶ

「いや、今夜死ぬのは多分一人だ」
「それはお前だ!」
「ははは、私を殺す気かハリー」

ルーピン先生は微動だにしない
それどころか、この状況には似合わない乾いた笑顔を浮かべる


そして


「シリウス!」

と、ヴィオラの隣で座っている犬を呼んだ



「グルル」

シリウスは唸りながら、一歩一歩前へと出る

このシーンが今日起こるとは予想外だったので、ヴィオラは少し混乱していた

(どういうこと?もう少しあとのはずじゃ…)




犬が変身する

姿を変えて、黒犬から人へと変わる

そこに居たのは紛れもない




「シリウス・ブラック……」

ハリーが呟いた


ルーピン先生がシリウスを見て言う

「これはこれは、シリウス・ブラック………
惨めな姿になったものだ、内なる狂気がついに肉体にも現れたか?」




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