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銀のヴィオラ 『ハリーポッター』

第32章 アズカバンの囚人



未だ楽しそうに話す双子とアナウンサーを見て、心底そう思ったヴィオラであった































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「はぁ〜」
「グゥ?」
「反省文やだ〜」
「……ワン」

お説教から解放され、シリウスの所に癒しを求めに立ち寄る

期待していた通りシリウスはもふもふで
抱き枕にして眠りたいほど毛並みが良かった


「この前匂いが臭くなる薬スリザリン生達にぶっかけたんだけどね、そしたらマクゴナガル先生に反省文10枚って言われちゃったんだよね…」
「ブッ!」
「え?」
「………」



今笑った?

笑ったよね?

吹き出してたよね?



「……………」


シリウスを見るも、やはり彼は動かない
それどころか顔を逸らしてちっともこちらを見ようとしなかった

「むぅ」

頬を膨らませる

するとシリウスは謝罪のつもりなのか、すりすりと頬に擦り寄ってきた


「(スンスン)」
「ふふ、くすぐったい」


そのままじゃれ合う

おっさんとじゃれ合うだなんてどうかとも思うが、彼は今犬だ
この魅力には誰も抗えない
まあ、犬の正体を知ってしまっているのでちょっとあれだが

脳内で人間姿のシリウスに変換しない限りは大丈夫だ



これは犬だ
これは犬だ



「キャッキャッ」
「クゥン」


しばらく遊んでいると、ある事に気付いた


「あれ?」
「ク?」
「………」

口元に血が滲んでいるのだ
乾いていないのでまだ新しい血

だが見る限り、怪我はしていなさそうだった


(そういえば………)


そういえばここは、暴れ柳の中だった
原作の中では、ここで真実が明らかになる
シリウスとルーピン先生が和解し、ハリーに新しい家族が出来る場所

そして、時期的にはもうそろそろだ
ならばこれは


「ねぇ、この血って…」




カサカサ


「ヴィオラ?」
「?」



名前を呼ばれた

振り返る

「ルーピン先生?」
「なぜ君がここに……いや、そんな事はいい
早くここから出るんだ」
「あの…」
「お願いだから早くここを……!」
「?」




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