第5章 ダイアゴン横丁の出会い
ダニーとエルラに励まされ、少し気分が落ち着いた
二人ににっこりと微笑むことが出来た
コツコツと音がする
オリバンダーが戻ってきたようだ
「お待たせしましたMsマリエレンダ、こちらの杖なら大丈夫かと」
「これは?」
「隕石で創った貴重な杖です、
水星から降ってきた星のカケラでして、それを削り、隕石が落ちてきた近くに生えてた木に混ぜ込みました、さあどうぞ」
「…………」
先程の事があったので恐る恐る手を差し出す
「わわ」
黒光りしているような綺麗なその杖を手に取ると、ヴィオラの周りを蝶が舞いだした
六年前、狼を助けた時と同じ蝶だ
ヒラヒラヒラ
「これ、あの時の」
「これが、ヴィオラの?」
「まあ……とても綺麗ね」
あまりの美しさに見惚れてしまう
空に輝く蝶がヴィオラを包み込み、彼女を祝福するかのようにりん粉を散らす
スウーー
やがて蝶はあの時と同じ、
粉になってほろほろと消えていってしまった
「こりゃあ驚いた、Msマリエレンダは本当に強い才能をお持ちですね、
こんなに杖に気に入られた人間を見たのは今まで二人しかいませんよ!あなたで三人目です!」
オリバンダーは心底驚いているようだった
優しそうな垂れ目を見開き好奇心が瞳から溢れ出すようにキラキラ輝かせている
「ありがとうございますオリバンダーさん!ところで、他二人って誰なんですか?」
「一人はあなたのご学友になる子です、もう一人は、私の口からは言えません……」
「そう、ですか、わかりました、何から何まで本当に、ありがとうございました」
「いえいえ、店として当然ですから、それではMsマリエレンダとそのご夫妻様、どうかごきげんよう」
「ええ、ありがとうオリバンダーさん」
「それでは、これからもお店を繁盛させてくださいね」
そう言い、「オリバンダーの店」を出た
「やっぱりヴィオラはすごいなぁ!お父さんとお母さんの子供だもんなぁ!将来才色兼備の魔女になってそれはそれは美人に……」
「相変わらずの親バカねぇダニー、でも、それは賛成よ、きっとヴィオラは男の子達が放っておかないわ」
「そうだね、きっと色んな子からモテモテになって……それはそれでなんかヤダ!!」
「お父さんとお母さんは何勝手に話進めてるの!!」
「「えへ」」