第5章 ダイアゴン横丁の出会い
「すいません!!べべ弁償をっ!!」
「おお、落ち着きなされMsマリエレンダ」
ヴィオラはとんでもないことをしてしまったと恐れおののく
(めめめ、眼鏡割っちゃった!!あのオリバンダーさんの貴重な眼鏡をっ!)
あわあわと焦っているとダニーが乗り出す
「申し訳ないオリバンダーさん、僕の娘が、め、眼鏡を……直しますのでご安心を」
するとダニーは懐から杖を取りだした
そうして、深くゆったりと杖を振る
カタカタカタ
フワリ
「わあー!」
散らばった書類や割れた眼鏡の破片が浮き上がり元の場所、形へと戻っていく
書類は見事に棚に乗り、全て綺麗な状態で整理整頓された
眼鏡はというと、ガラスが粉々になって土にかえりそうだったのだが、それも全て元に戻り、眼鏡の縁に納まっていた
「おお!これは見事に直っていますね、ありがとうMr.マリエレンダ」
「いえいえ」
「本当にごめんなさい」
「お嬢さん、お気になさらないで、杖があっていなければ仕方がないことです」
「でも……」
「ほほほ、ですが今のでどのような杖があうのかわかりましたよ、少々お待ちを」
そう言ってまたオリバンダーは店の奥に行ってしまった
「お父さん、ありがとう、それとごめんなさい」
「あはは、まさかここまでなるとは思ってなかったけど、ヴィオラはやっぱり強い才能があるんだね」
「え?オリバンダーさんの書類をそこら中にぶちまけて更には眼鏡までパキパキにしちゃったのに?」
「ま、まあ杖の問題だから大丈夫、オリバンダーさんもそれは分かってるもの」
「……」
「ヴィオラ、杖はね、持ち主を選ぶんだよ」
「知ってるよ?杖は持ち主を選んで強い忠誠心を示すんでしょ?」
「そうだ、杖が拒否した人間はその杖は使えない、でもね、沢山の杖に嫌われているほど一つの杖がヴィオラを強く求めてるんだよ」
「一つの杖?」
「杖は持ち主を選ぶ、その杖の忠誠心が高ければ高いほど持ち主はとても才能に恵まれている、あそこまであの二本の杖はヴィオラを拒否したんだ、その分ヴィオラに忠誠を尽くす杖がこのお店にいるんだよ」
「ええ、だからあなたには大きな才能があるの、自信を持ってヴィオラ、あなたは私達の天使なんだから」
「そっか…………ありがとうお父さん、お母さん」