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銀のヴィオラ 『ハリーポッター』

第29章 悲しい偽り



残念ながら、今日の試合はどちらも勝つことはない
吸魂鬼のせいでトラブルが起きてしまう


(守護霊呪文が使えたらいいけど…
アニメーガスの練習と並行してやるのはきついからなぁ)

ただでさえ休み時間はほとんどマクゴナガルに費やしていると言うのに、また新しく練習を増やす事はできない
それに講師もいないのだ

(ルーピン先生に教わりたいけど…)


許可してもらえるかどうか

そこが問題だ











「え?」


そうこうしていると、ハリーの動きがゆっくりとしてきた

皆がザワザワしている
ハリーの動きに








ではない






「なにあれ…」


そこにあった光景は、おぞましいものだった



ザワザワザワ





「ディメンターが!!」


誰かが観客席で叫んだ











空が黒かった
そう、黒かったのだ

雷も雨も見えない




なぜなら、空はディメンターで覆い尽くされていたから


「!?」

(なんで!?こんなに来るはずっ)







ハリーがディメンターに記憶を吸われている

その姿は硬直しており、一瞬魂まで吸われたんじゃないかと思ってしまった





「! ハリー!」


ハリーが空から落ちてくる


このままでは危ない





ビュン!!


「ヴィオラ!?」

誰かが名前を呼んでくるが、気にしない


箒を飛ばし、早く、早くハリーめがけて進む





あとちょっとのところで



パシッ!


(掴んだ!)




腕を掴む

箒を引いて、何とか飛ぼうと頑張る
が、やはり気絶した人間は重く、箒は飛ぶどころかどんどん降下していく


「ッ!」


(お願い、止まって!)



目を瞑ったその時








「ぅお!!」
「わぁ!!」


誰かに支えられた

目を開く



「?」


目線の先にはジョージとフレッドがいた

彼らはハリーを持ち上げて器用に箒に乗せている



そして、ヴィオラのお腹あたりにも腕があった

それは2人のものではない



「全く、無茶するなよ」

声がする

声の主はヴィオラのお腹を支えたまま、自らの箒の後ろに乗せる



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