第27章 リーマス・ルーピン
リーマス目線
「はぁ、参ったな……」
授業が終わり、リーマス・ルーピンは廊下でひっそりとため息をついた
途中、ピンクブラウンの髪の少女が通るが、上手く気付かれずにやり過ごすことが出来た
(覚悟はしていたけど、あれじゃ全く同じじゃないか
一体どうなっているんだか…)
先程、自分に礼を言ってくれた少女を思い出す
可愛らしく笑い、心からの気持ちを伝えてくれた
その姿は、自分の知るある少女と同じだった
「ダンブルドアも話してくれないし、彼女も出て来てくれないからな……」
ダンブルドアはいつもそう
彼女もそうだ
何かを隠し、2人だけの秘密を持っている
そしてその秘密は、誰も知る事が出来ない
ふと、昔の事を思い出す
『こらシリウス!反省しなさい!』
『うるせえよババア!』
『ババア!?』
仲睦まじく喧嘩をし合う友人達
怒る少女を罵倒するのはかつての親友、シリウス・ブラックだ
それを見学するのは、ジェームズ・ポッター、リリー・エバンズ、ピーター・ペティグリュー、そして自分である
『やめなさいよシリウス』
『リリーには関係ねぇだろ!俺はこのババアに用があるんだ!』
『ババアババアうるさいのよ!元はと言えばあなたがイタズラするからでしょう!?』
『シリウス、ツンデレ良くない…』
『リーマスは黙ってろ!』
『…』
いつもの光景
なんてことはない日常だった
しかし、それがとても遠く感じる
『はぁ…シリウスに比べてリーマスは良い子だよねぇ
私お嫁さんにするなら絶対リーマスを選ぶよ』
『はぁ!?』
『僕は男なんだけどなぁ』
『関係ないでーす!リーマスみたいに優しくて紳士でかっこいい人には誰だって惚れちゃうよ〜』
『お、おいババア!何リーマスに手ぇ出そうとしてんだよ!』
『シリウスに関係ないでしょ!?』
『大ありだよ!』
『私リーマス好きだもん!お嫁さんにして何が悪いのさ!!』
『『……………』』
『(ポッ)』
その時、赤くなったリーマスに、少女以外の全員が目を丸くした