第27章 リーマス・ルーピン
クスッ
思い出すと笑顔が溢れてくる
懐かしかった
楽しかった
宝物だった
あの時が一番、最高だった
『リーマス』
『ん?なに?』
『ううん、リーマスも大きくなったなって思って』
『そう?今はまだ君の方が年上だよ?』
『だって、背が私より高くなっちゃったもん
シリウスもたくましくなっちゃってさぁ…』
『ははは、確かにね』
『リリーも可愛くなったし、イタズラばかりしてたジェームズも大人しくなってきたし』
『まあ、ジェームズは比較的成長したからね』
『………………』
『? どうしたの?』
『………リーマス』
『うん』
『……卒業しても、私の事忘れないでね』
『当たり前だよ、僕は忘れたりしない
それに…』
『? それに…なに?』
『ううん、なんでもないよ』
『???』
『はは』
あの時彼女は笑っていた
遠くを見つめて、笑っていた
でも悲しそうだった
今思えば、泣きそうだった気もする
忘れられるわけ無かった
心に焼き付いた少女の笑みを、きれいさっぱりなくすことなんて出来なかった
ーーーーー 君は僕の ーー なのだから